大谷翔平 自身初PS1戦2発 キャリア最速球撃ち!グリーンの161・6キロ粉砕「いい反応ができた」
「ナ・リーグ・ワイルドカードシリーズ、ドジャース10-5レッズ」(30日、ロサンゼルス)
3回戦制のワイルドカードシリーズ(WCS)が各地で行われてプレーオフが開幕し、ワールドシリーズ(WS)2連覇を目指すドジャースは大谷翔平投手(31)が本拠地ロサンゼルスで行われたレッズとの第1戦で2本塁打を放った。日本選手のポストシーズン(PS)1試合2本塁打は2004年にヤンキースの松井秀喜が記録して以来2度目。チームは10-5で勝った。第2戦は山本由伸投手(27)が先発する。カブスの鈴木誠也外野手(31)はパドレス戦でソロ本塁打。レギュラーシーズン終盤戦から5試合連続本塁打で、チームの勝利に貢献した。
5万555人が埋めた本拠地を2度、揺らした。大谷がスーパースターである理由が、この試合に凝縮されていた。球団史上初の連覇を懸けて臨んだポストシーズン(PS)開幕戦。「最高のスタートが切れた」。ベンチ前でホームランの儀式、ヒマワリの種のシャワーを浴びた大谷がぶっとい右腕で力こぶをつくり、パワーを誇示した。
地元ファンのMVPコールがどよめきと歓声に変わった。初回。剛腕グリーンがカウント2-1から投じた100・4マイル(約161・6キロ)の内角直球をたたきつぶした。「いい反応ができた。100マイルのインコースは狙っているからと言って何本も打てるような球ではない」と自画自賛。時速117・7マイル(約189・4キロ)の弾丸ライナーが右翼席に突き刺さった。昨年のスキーンズ(パイレーツ)、今年のデュラン(フィリーズ)の100・1マイル(約161キロ)を上回り、キャリア最速球を本塁打とした。
先発スネルがスコアボードにゼロを並べれば、三回にはT・ヘルナンデスとエドマンの2者連続本塁打で敵軍エースをマウンドから引きずり下ろした。五回で6点リードの一方的な展開。大谷がロサンゼルスの夜空を見上げたのは六回の打席だ。2死一塁。3番手右腕フィリップスの甘く入ったスイーパーを完璧に捉えた。
確信歩きで打球の行方を見届けた、今季最長の飛距離に並ぶ454フィート(約138メートル)の特大アーチ。「走者のいる場面でいい追加点になった」。敵の息の根を止めるには十分な一振りだった。
大谷が示した圧倒的な存在感。ロバーツ監督は昨季のPS開幕戦でも本塁打を放っていることを思い返し、「より神経が研ぎ澄まされ、打席の質が高まる」と絶賛。「こういう試合で異次元の才能を見せる。これこそが彼と契約した理由だ」と熱く語った。
チームはPS球団タイ記録となる5本塁打で快勝。大谷は自身初、日本勢では2004年10月に松井秀喜(ヤンキース)がリーグ優勝決定シリーズのレッドソックス戦で記録して以来となるPS1試合2本塁打を振り返り、「どちらも違った良さがある」と言った。
初戦を取ってシリーズ突破に王手をかけた。「比較的ゾーンの見極めができている。継続するのは難しいと思うので自分の打席を送れれば、いい結果が出るのかなと思う」。感じ取っている確かな手ごたえ。大谷がチームを栄光へ導いていく。





