佐野日大・田嶋、エース対決制し4強

 「選抜高校野球・準々決勝、佐野日大7‐5明徳義塾」(31日、甲子園)

 準々決勝4試合が行われ、佐野日大が明徳義塾を延長戦で破り、春夏通じて初の4強入りを果たした。MAX145キロ左腕・田嶋大樹投手(3年)が3試合連続の完投勝利。今秋ドラフト候補対決となる明徳義塾・岸潤一郎投手(3年)との投げ合いを制した。豊川も初の4強入りを決めた。1日の準決勝は履正社と豊川、佐野日大と龍谷大平安が対戦する。

 クールな男が、少しだけ感情を出した。試合終了の瞬間、佐野日大・田嶋が左こぶしを突き上げた。意地が詰まった152球。2試合連続延長となる11回を完投し「自分はエース(の看板)を背負っている。投げきることに意味がある」と、プライドをにじませた。

 試合前に「体が重い」と話していた通り、直球は最速143キロを記録したものの序盤から制球に苦しみ、六回には5連打で4点を失った。しかし、七回からフォームを変更。足の上げ方を遅く、テークバックを小さくして立ち直った。

 仲間もエースをもり立てた。三回までに4得点。延長十回のピンチは、遊撃・竹村が好守で救った。十一回に決勝の遊撃内野安打を放った4番・稲葉は「田嶋を少しでも楽にしようと思った」と、気迫のヘッドスライディングを敢行した。

 田嶋は常にポーカーフェースを貫く。中2の時、試合で悔しげな顔をして、当時の監督に注意されて以来「一切出さなくなった」。エースが感情をあらわにすれば、バックに影響が出る。この日も平静を装ったまま「無我夢中で」投げ抜いた。

 春夏通じて初の4強。好投手・岸にも投げ勝った左腕は「今日はみんなに助けてもらった。次は自分がしっかり抑えたい」と誓った。頂点まで、残る山はあと2つだ。

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