土佐、守備力強化で24年ぶり夏の聖地へ
古豪・土佐が守備を強化して1989年以来、24年ぶりの夏の甲子園を目指す。21世紀枠で出場したセンバツでは、優勝した浦和学院に初戦で0‐4で完封負けしたものの、伝統の“全力疾走”で聖地を沸かせた。大会後は内野陣のコンバートを行うなど、課題の守りにメスを入れて徹底的に練習。高知、明徳義塾の“2強”撃破へ闘志を燃やしている。
内野陣が軽快な動きでゴロをさばく。併殺プレーやバント処理も的確だ。闘志みなぎる守備練習。聖地に戻るために、土佐が堅い守りを身につけた。
21世紀枠で出場したセンバツは、初戦で浦和学院に完封負けを喫した。チャンスはつくったが、相手の好守に何度も得点を阻まれた。「一番違いを感じたのは守り。浦学さんは本当に鍛えられていた」と西内監督。そして夏に向け、守備を最大の強化ポイントに掲げた。
4、5月は練習時間のほとんどをノックに費やした。「ボールから目を離さないこと」や「低い送球を心がけること」といった基本を徹底。大歓声が響く甲子園では、野手同士で声が届かないことも経験したため「練習から大声で指示を出す」ことも習慣づけた。
さらに内野陣の配置転換も行った。センバツでは背番号「13」の控え選手だった吉岡を遊撃手に抜てきし、遊撃だった冨田を一塁手に。6月からは、実戦形式の守備練習を繰り返した。織田主将は「練習試合で無失策が多くなった」と手応えをつかんでいる。
今春21世紀枠出場の土佐を除けば、2007年夏以降は高知と明徳義塾の“2強”しか甲子園に出ていない。4番・南捕手は「また甲子園に行って、今度は校歌を歌いたい」と言葉に力を込めた。伝統の“全力疾走”と鍛え直した強固な守備で、分厚い壁に挑む。
