【ボート】木下翔太が2020年以来の年間V3 再びSGの舞台へ立つためにG1戦で結果を求める

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 木下翔太(34)=大阪・108期・A1=が13日のまるがめで1号艇から優勝。V4の2020年以来となる年間V3をマークした。SGの舞台から遠ざかること5年。再び最高峰の場所へ立つために、今後に控えるG1で結果を残すことを誓った。

 まるがめ初Vが懸かったファイナルのイン戦。エンジン素性としては並だったが、巧みな調整によって逃走態勢を作り上げると、コンマ12のトップSで堂々と押し切った。昨年は0に終わった優勝は、今年すでに3回。「今はまだG1を多く走らせてもらっている。そこで活躍してSGに出場したい」。安定感抜群の強い木下が戻りつつある。

 26歳だった17年、年末の住之江グランプリシリーズでSG初出場を果たすと、19年の多摩川グランドチャンピオンで初優出。同年は3回のSG優出をマークするなど大きく飛躍した。だが、超人たちがしのぎを削る頂上決戦に難なくとどまれるほどボートレースは甘くない。20年のグランプリシリーズを最後に、木下の名前はSG戦線から消えた。

 34歳。決して衰えを感じているわけではない。「自分としてはレベルが落ちたとは思っていないし、体もまだまだ動く」。内枠の安定感や5コースからの鋭い切り込みは健在だ。一方で「一つ勝てば一気に流れが来ることもあるし、目標がないとだらだら走ってしまう時もある」と、区切りなく1年を通して戦うこの競技の難しさも痛感している。

 SGの舞台へ舞い戻るために「エンジン出しからメンタル面まで、全部を高めていきたい」と総合力を強化させる考え。9月は平和島(4~9日)、多摩川(29日~10月4日)と二つの周年に出場する。もちろん簡単な戦いではないが、苦手の夏場を攻略できており追い風は吹いている。

 家族思いのナイスガイだ。高校時代は大阪府立の雄・桜宮野球部で遊撃手として活躍した。大学から野球推薦の話も来ていたが「母子家庭で妹もいたから」と母・裕美子さんと同じレーサーの道へ進んだ。記者にとっては数少ない同学年の選手。これからも木下の走りに注目していきたい。(関西ボート担当・山本航己)

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