【ボート】宮島 市川哲也が1年3カ月ぶりV「上を目指してやっている今が楽しい」
「一般戦・お盆シリーズ」(17日、宮島)
優勝戦が行われた。波乱の準優勝戦でただ一人逃げを決めた市川哲也(56)=A2・広島・67期=が予選3位から優勝戦の1号艇。V本番もコンマ08のトップSを決めてイン圧勝。2024年5月宮島以来となる通算103回目の優勝を飾った。2着争いは混戦となり、1周2Mで内を突いた辻栄蔵(広島)が逆転で2着、3コースからまくって出た田中辰彦(広島)が3着に続き、3連単は2230円で決着した。
優勝戦後の水上パレードでは、スタンドに詰めかけたファンの祝福にガッツポーズで応え、満面の笑み。表彰式が行われたステージには幅広い年齢層のファンが駆け付け、温かいムードに包まれた。市川は、「久しぶりに優勝できてうれしい。ホッとしている」と安堵(あんど)の表情。好素性の55号機を引き当て、昨年6月びわこ(2着)以来の優出を決めた今節。「バタバタするのだけはやめようと決めていた。ここのインタビュー(6R発売中の公開インタビュー)が終わったら乗りながら微調整。5日目は少し外していたが、優勝戦はいい調整ができた」と納得の足で完勝した。「風が一定しなかったのでスタートにはだいぶ神経を使ったが、3日目から1コースに3回入っていたので、ある程度自信を持ってスタートは行けた」とスタート巧者らしく、準優勝戦、優勝戦とここ一番は質のいい0台Sをバチッと決めた。
SGで4回、G1戦で19回の優勝歴を持ち、実績面では断然だが、優勝戦では唯一のA2級。「大きなことを言えるような成績ではないが、自分なりに上を目指してやれることはやっている。結果が出ると、やってきたことが間違いじゃなかったと、今を楽しめている」と穏やかな表情。ベテランファンからは、「老け込むのはまだまだ早い。熟練の技がある」と期待の声が上がり、「マスターズチャンピオンに出てください」と2026年4月(21~26日)に宮島で開催されるプレミアムG1を目指すよう背中を押され、「頑張ります」と小さな声ではにかみながら答えるシーンもあった。




