【競輪】ガールズケイリンはまだまだ盛り上がる! 新人選手が力を発揮できる制度作りが必要
「競輪記者コラム 仕事 賭け事 独り言」
今年も上半期が終了。ガールズケイリンは4月のG1・オールガールズクラシック(岐阜)、6月のG1・パールカップ(岸和田)と佐藤水菜(神奈川)が連続優勝。賞金ランキング1位を独走している。8月のG1・女子オールスター競輪(8~10日・宇都宮)を優勝すれば、男子の脇本雄太(福井)に続くグランプリとG1全冠制覇のグランプリスラム達成となる。
佐藤水菜の独走を止める1番手はファン投票で9年連続1位に選出された児玉碧衣(福岡)が最有力。佐藤と同時期にナショナルチームで鍛錬を積み重ねた太田りゆ(埼玉)、梅川風子(東京)も侮れない。126期の新星・仲沢春香(福井)も魅力たっぷりで楽しみな開催になりそうだ。
しかしこの新設G1の開催に一つだけ疑問がある。男子のルーキーシリーズプラス(5、6月に行われたルーキーシリーズの優勝者および平均競走得点上位者を14人集めた開催)をなぜガールズケイリンのG1に組み込んだのか分からない。
男子新人の成績上位者にとって見るべきものは男子のG1戦線で戦う先輩選手のはずだ。男子のオールスター競輪の前座戦に組み込めば、目の前で繰り広げられる激しいぶつかり合いに気持ちは高ぶるはずだと思う。「早くS級に昇級して来年はオールスター競輪を走りたい」。そんな気持ちにするいい機会だと思う。女子オールスターの最終日に単発レースで女子のルーキーシリーズプラスが開催されるが、14人が参加して3日制のシリーズにした方がピンとくる。来年以降の改善を期待したい。
選手もだが、競輪場に来るファンもガールズケイリンのビッグレースを楽しみにくるはずだ。特にG1開催は男子、ガールズケイリンは分けるほうがいい。はっきり言ってファンの層は男子とガールズケイリンで確実に違うので、混ぜてもいい化学反応は起こらないと思う。
また以前にもコラムで書いているが、ガールズケイリンの新人選手に対する登録審査制度に対する恩恵期間を設けてほしい。118期以降は5月にルーキーシリーズでデビュー、7月から先輩に混ざって本格デビューしている。しかしノーカウントで走れるのはルーキーシリーズの開催のみ。7月からは点数がカウントされて代謝の対象になってしまう。いきなり優勝することができる新人は毎期1人から3人くらい。ほとんどの新人選手は先輩たちの厚い壁に苦戦をしている。
昨年5月デビューの126期勢が今年に入ってようやくレースに慣れて結果が出てきている。7月20日の大宮で高木萌那(福岡)が初優勝を決めたのがいい例だ。浅井康太(三重)の弟子・伊藤優里(三重)も先行が増えていき、車券に絡む回数も増えている。これは経験値が上がっているからだ。今年5月デビューの128期からは酒井亜樹(大阪)、半田水晶(茨城)といきなり優勝を決めたが、やはり経験を積む時間は必要と強く感じる。
ノーカウントの期間が1期間でもあれば、思い切ったレースもできて、レースの経験値が上がっていくはず。ガールズケイリンのトップレーサーに対してはグランプリを頂点にしたロードマップが完成に近づいている。次に着手するのは新人選手が力を発揮できる制度作りだと強く感じる。(関東競輪担当・松本 直)





