【ボート】記者席でも悲鳴が上がった毒島誠のF2
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昨年12月のSG・グランプリ(住之江)を制覇し、MVPにも輝いた毒島誠(41)=群馬・92期・A1=は、ボートレースの顔と言っても過言ではない存在。今年に入ってからも3月の尼崎周年記念と平和島周年記念でG1連続Vを決め、2025年も毒島の年になるかと思われていた。
その後は、5月に開催されたSG・オールスター(まるがめ)の予選2日目に今期1本目のFを切ってしまった。ファン投票1位で初日のドリーム戦1号艇に選出されていただけに、非常に残念な結果となってしまったが、次節の桐生周年記念では予選4位通過から勝ち上がり、優出5着の結果を残しただけに、スタートが慎重になるのはもちろんだが、特段の問題はないと思われていた。
6月に開催された平和島一般戦では初日を連勝として、2日目の活躍にも期待が持たれていたが、2号艇で出場した3Rで事件が起きた。ピット離れでインを奪取した毒島の速攻劇に注目が集まるなか、スタート後に無念のFコール。明らかにインの毒島がトップスタートだっただけに、平和島の記者席では大きな悲鳴が上がったことを覚えている。
今年4月の選手級別基準変更でF2の罰則が重くなり、事故点が従来より10点増しとなった。これが非常に大きく、毒島は事故点が50点となり、これを出走回数で割った事故率の減算が今期は困難となってしまった。事故率が0・70を割らないとB2に降級となるが、その可能性が濃厚となってしまった。それを一番分かっていたのは毒島自身だろう。レース後は早々と「B2だ」と他の選手に話していた。
このF罰則の強化はさまざまな議論を呼んでいるが、自分はそれについてどうこう述べるつもりはない。思うところはあるが、というやつである。あくまでも独り言のコーナーだが、政治的なところに深く入り込むことはしない。
それよりも、毒島のレース後の姿が印象的だった。平和島の一般戦は超豪華メンバーによるシリーズで、毒島の他に松井繁(大阪)、茅原悠紀(岡山)、馬場貴也(滋賀)、関浩哉(群馬)、土屋智則(群馬)、瓜生正義(福岡)、深谷知博(静岡)、寺田祥(山口)、長田頼宗(東京)らが顔をそろえていた。SG、G1戦線で活躍する選手ばかりだが、毒島のF後は皆が毒島の元に声をかけに行っていたのを覚えている。全員が深刻な顔をしていたわけではなく、明るく声をかける選手もいたが、同じ舞台で長く戦ってきた以上、毒島の気持ちは痛いほど分かっていたはずで、各選手がそれぞれの思いやりを込めて接していた印象だ。毒島も、声をかけてくれた選手に感謝の意を込めて明るく振る舞っていたが、気持ちの整理はまだついていなかったと思う。F休みまでにSGを2回走ることとなるが、どのようなレースになるか、注目したい。(関東ボート担当・山内翔太)




