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1分45秒で1億円を稼げる職業とは

 学生時代に野球をやっていれば、誰もがプロ野球に憧れ、選手になることを夢見るだろう。サッカーなら日本代表として日の丸を背負って戦いたいと思うはずだ。確かに国内のプロ野球やJリーガーでもトップクラスとなれば、年収で数億円は稼げるだろう。さらに海外にまで活躍の場が広がれば、数十億円と名声が若いうちから転がり込んでくる。プロ野球、Jリーグの世界に身を投じたアスリートは、ほとんどが少年時代に“神童”といわれ、その地域の有名人であり、エリートだったに違いない。

 しかし、実際には海外はもちろんのこと、国内ですら一軍で、しかもレギュラーで活躍するとなればほんの一握り。しかも寿命は30~40歳までではないだろうか。ボートレーサーという職業がある。簡単にいえばモーターボートを操縦して、その速さを競い合う競技だ。現在現役のレーサーは約1500人。ちなみに、各スポーツの現役平均年齢はプロ野球27歳、Jリーガー23歳なのに対して、ボートレーサーは36歳と高い。

 平均引退年齢はプロ野球29歳、Jリーガー26歳に対して、ボートはなんと55歳。さらに驚くべき数字は平均在籍年数だ。プロ野球9年、Jリーガー5年だが、ボートはなんと34年!(BOAT RACE公式HPより)ボートレーサーは最短でも中学を卒業して1年の訓練を経ると、すぐにプロとして活躍することができる。最近よくマスコミで取り上げられる加藤峻二は最高齢レーサーで71歳。かつての名レーサーで、現在でも現役バリバリである。

 「サラリーマン並みに寿命が長いなら、年収もそんなに多くないでしょう」と思われるかもしれない。成績に基づくクラス別によって年収は違うのだが、最高位のA1(約300人)で約3400万円。A2(約300人)で約1900万円。B1(約750人)で約1100万円。B2(約150人)で約500万円となっている。つまり、全選手の平均年収は約1600万円。仮に20歳でデビューして平均在籍年数が34年なので54歳で引退したとすれば、生涯獲得賞金は5億4400万円。しかも、これはあくまで平均である。

 こんなに“おいしい”ボートレーサーには、どうやったらなれるのか。まず「やまと学校」の門をたたくことだ。入学するまでボートに乗ったことがないという生徒がほとんどなので、実技を問われることはない。また、身長制限もかつては172センチ以下だったが、今後は175センチまで引き上げる動きもあるという。体重も同様に緩和される見込みで、門戸は徐々に広がりつつある。

 しかし、合格率は40倍強と決して容易ではない。では、合格に必要なものは何か。第1にたぐいまれなる運動神経だ。また、合格しても全員が無事卒業できるとは限らない。第2に必要なものは「やまと学校」における1年間の訓練に耐えられる精神力があるかどうかだ。入学してわずか数日で“ケツを割る”生徒もいるほどで、脱落者は多いという。

 もう少しお金の話をしよう。先述した加藤峻二の現在までの獲得賞金は16億1919万3463円。現役引退を問わず、最高獲得賞金額は松井繁の32億3279万3102円である。ちなみに、松井繁の年齢は44歳。ちなみに彼は学生時代、特別なアスリートだったというわけではない。大阪の北陽高校(現・関大北陽)のごくごく普通のテニス少年だった。

 間もなく、その松井繁も出走する「SG・第28回賞金王決定戦」(20~23日・ボートレース住之江)が開幕する。優勝賞金は1億円。トップクラスのレースでは、スタートしてからゴールまでが1分45秒程度。なんと、2分もかからない試合(レース)で1億円を稼ぐことができる。プロ野球、Jリーグだけが高額の収入を得られるスポーツではないことが、これでお分かりいただけただろうか。

(デイリースポーツ・坂元昭夫)

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