【地方競馬】伸び盛りのカジノフォンテンに注目 JRAの競馬場での重賞V候補
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緊急事態宣言は首都圏の1都3県で期間延長になったが、コロナ禍の中でも競馬は中央、地方とも途切れなく開催されている。
それも粛々と…というより馬券のネット販売は昨年以来好調そのもの。南関東では重賞のたびに売り上げレコードのうれしい悲鳴が上がっているほどだ。
それでも表立った行事やイベントは自粛や中止が相次ぎ、中央競馬ではJRA賞の、地方競馬ではNARグランンプリの表彰式典も今年はごく内輪で形だけのものに縮小された。
今回NARグランプリ2020の年度代表馬には、昨年11月のJBCスプリントを鮮やかに差し切った南関東生え抜きのサブノジュニアが選出された。
同馬は一貫して大井の堀千亜樹厩舎に所属し、デビューから34戦目の6歳だった昨年9月のアフター5スター賞が重賞初制覇という遅咲き。それでもコンビを組んできた矢野貴は以前から惜敗のたびに「この馬はJRA馬が相手でも勝つ力を持ってます」と強調していたものだった。
改めて調べてみたらこのサブノジュニアをはじめ、過去10年のNARグランプリ年度代表馬は全てその受賞年度にJRA馬との交流重賞を勝っていた。
しかし地方所属馬がJRAの舞台に乗り込んで重賞を勝ったのは、07年8月に函館2歳Sを制したハートオブクィーン(道営)が直近例。さらにダート重賞では03年5月の東海Sを勝ったゴールドプルーフまでさかのぼる。
地方競馬に携わる者として、交流重賞で遠征してきたJRAの強豪勢を地元馬が迎え撃つのはもちろん痛快だ。その逆で地方生え抜き馬がJRAの競馬場で重賞を席巻するシーンが実現したらさぞかし胸が躍るし、馬券で懐も膨らむだろう(笑)。
現在の南関東でその“候補”を思い浮かべてみると、年明けの川崎記念でJRA勢を一蹴した新鋭のカジノフォンテンはまだまだ伸びしろ十分。昨春の共同通信杯やスプリングSに挑戦した南半球産のエンも再転入後に本格化の兆しを見せている。
2年連続してフェブラリーSに出走したミューチャリーや、この冬にカペラSと根岸SでJRA重賞を経験したサブノジュニアもリベンジの機会をうかがっている。
最後にこれまで中央のレースに勝った地方馬一覧のサイトがあるのでご紹介します。ヤフーなどで「NAR Horses won the JRA Races」と検索してみてください。コロナ禍で外出自粛中の暇つぶしになるかもしれませんよ。(南関東地方競馬担当 関口秀之)