【ボート】19年は田中圭大フィーバーや地元勢のV 最後は完全V王手・西島のフライング

 児島ダービーで優勝した毒島誠(右)に熱い思いを届ける田中圭(左)
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 「ボート記者コラム・仕事 賭け事 独り言」

 常駐の児島ボートの2019年はアツかった。3月には人気女子レーサーの祭典、レディースオールスターが開催され、寺田千恵(50)=65期・A1=と田口節子(38)=85期・A1=が優勝戦で地元ワンツー。6月の児島周年記念は地元の吉田拡郎(37)=90期・A1=が優勝を飾った。

 10月のSG・ダービーの最終日は1Rから超満員。「田中圭さん効果であっても、これだけ大勢の方にレース場に足を運んでいただけてうれしい」と優勝者の毒島誠(35)=92期・群馬・A1=が選手を代表して感想を述べた。表彰式には今年のボート界を盛り上げた俳優の田中圭(35)がゲストとして壇上に上がり、「あのすごいプレッシャーの中で戦って、ゴールする瞬間、すっごいホッとしたように天を仰いだ。コメントは強気で絶対に勝つという感じで独走だったのに、最後の最後まで一瞬たりとも気を抜けなかったのだと伝わりすぎて、本当に感動した」とアツく語り、会場を埋め尽くした全女性ファンのハートを射抜いた。

 同大会で2着だった石野貴之(37)=90期・大阪・A1=は毒島の地元・桐生のチャレンジカップを制し、地元・住之江で念願のグランプリを制覇。優勝後に沸き起こった「石野コール」にテレビ観戦していた私も震えた。現在徳山で開催中のクイーンズクライマックスも盛り上がるだろう。

 これらが表舞台の出来事。このコラムで仕事納めとなる私には、これらとは別に胸に引っ掛かったある思いがある。それは、8月の当コラムで発表した「辻栄蔵がダービーでSGに帰ってくるぞ~」が幻に終わったこと。出場権を獲得し、出場選手として発表されたあと、辻は出場を辞退した。こそっと連絡すると、「あ~、膝の手術をするわ。12月には復帰する予定」と返信をくれた。F休みの30日間を含め9、10、11月を欠場した辻は復帰戦の12月とこなめで優勝。住之江グランプリシリーズが1年9カ月ぶりのSG復帰となった。「“フライング”記事」を書いた私はやっと胸をなで下ろした。

 そして児島最後のシリーズは、西島義則(58)=49期・A1=が、前走の尼崎Vから準優まで10連勝。29日は完全優勝で19年の締めくくり。今年最後のコラムのネタはこれで決まり!!と心は決まっていた。ところが優勝戦は西島のフライングで90%の大返還。先頭を走っていた西島はホームで戦線を離れながら、スタンドに向かった深く頭を下げ続けていた。

 優勝者の表彰式では西島に挑んだ原田秀弥(40)=82期・大阪=が「スッキリ勝ちたかった」とポツリ。常連のファンの男性が私に「フライングはしたが、西島らしいな」とひと言告げて去って行かれた。「西島の完全Vで19年の締めくくり」は幻に終わったが、この出来事は次への序章。2020年のボート界もさまざまなドラマが生まれるだろう。新しい年も、小さな事から大きな事まで見守るつもりだ。(関西ボート担当・野白由貴子)

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