【ボート】土井祥伍の“SHOWタイム”が幕開けだ

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 華やかなカクテルライトを背に、歓喜の表彰台に立つ-。ボートレーサーなら、誰もが憧れる最高の舞台は、なんと言っても「優勝」のステージ。だが、誰しも与えられた天賦の才能と、磨き上げられた技能だけでは、頂点に立つことはまずありえない。レースで勝利や好成績に結びつかない結果であっても、一歩一歩の努力の行程が、やがて大きな成長へと実を結ぶ。

 大阪支部の土井祥伍(23)=117期・B1=は、5月31日から開催された尼崎一般戦で、2015年11月のデビュー以来、初の予選突破を達成。大きなハードルをようやく乗り越え、「ここまでは遠かったけど、やっとですね」。ホッとした表情で汗をぬぐった。

 ボートレーサーとしての道のりは決して順風満帆ではない。カートレースで培った経験を生かし、ボートレースの世界に飛び込んだが「風や気象の変化に対応した修正力は、ボートレースの方が難しい」と実戦で苦戦を強いられた。

 2018年前期(昨年11月1日~今年4月30日)ではフライングや事故点を重ね、B2落ちの危機を伴う「事故パン」状態に陥る。思い切ったレースができない逆境に追い込まれたが、「基本旋回だけですが、風が吹いた時でもターンマークをもらさないように、しっかり練習はしてきた」と、水面でみっちりと基礎を鍛え直す、地道な練習に汗を流した。

 新期に切り替わり、事故点がリセットされた5月。迎えた尼崎の一般戦では、手にした良機・15号機の特性に加え、日々の練習で養った旋回力を発揮。レースで着実にポイントを重ね、17位でついに予選を突破。「師匠(阪本聖秀)にいい報告ができますね」と自信をのぞかせた。

 5号艇で挑んだ準優勝戦は、1周1Mで果敢に切り込み、優出圏内の2番手に浮上したが、1周2Mでバランスを崩して万事休す。見せ場はしっかりつくったが、6着で優出を逃した。「技量不足でした。エンジン素性はいいものがあるが、レースの仕方ですね」と悔しさをかみ締める。「高いレベルの選手と戦うことは、自分にとってプラスになる。ようやくスタートラインには立てたけど、今回だけではダメ。定期的に(準優勝戦へ)乗れるようにしなければ」と新たな戦いへ気を引き締めた。

 7月から切り替わる2018年後期の適用勝率は2・60。ライバルたちには、大きく見劣りする数字ではある。そこでさらなる浮上を狙うか、もしくは不調のダークサイドに陥るか…。今期の活躍次第で、今後の選手生命に重要な岐路を迎えることは間違いないだろう。「いいエンジンを引いた時は、自分の責任も大きいと思う。これを機会に、今後もしっかりレースができるようにがんばって、優勝を狙いたい」。初々しい表情の中に、闘志の炎は沸き立つ。土井祥伍の“SHOWタイム”は、本格的に幕を開ける。(関西ボート担当・保田叔久)

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