【ボート】川上剛が涙のG1初V

 「九州地区選手権・G1」(13日、からつ)

 1号艇の川上剛(33)=福岡・91期・A1=が人気に応えて快勝。G1は3回目の優出で悲願の初Vを成し遂げた。この優勝で、SGボートレースクラシック(3月17~22日・尼崎)の出場権も獲得した。2着に三井所尊春、3着に篠崎元志が入り、2連単、3連単ともに1番人気での決着。

 「人気に応えられてホッとしている」。九州のエース瓜生正義や地元の雄三井所尊春らを差し置いて、シリーズリーダーを務めた川上剛が大一番も文句なしの圧勝劇。Vの王道を歩み、G1初Vを決めた。

 表彰式では涙を見せていたが、うれし涙だけが理由ではない。もうひとつの理由は師匠との絆だ。最終日の2R、道中で接触した師匠の原田富士男が負傷し、病院に直行。今節は気負わずリラックスしてレースに臨めていることが最大の強みだった川上だったが、最終日に限っては「平常心を装っていた」というのが本音だった。

 ただ、その原田がレース直前にピットに復帰。「本当は病院にいなければいけない状態なのに、ボクを安心させようと富士男さんは『心配するな』と」。負傷した身を押して弟子のために舞い戻った師匠。G1初VもSGクラシック出場権獲得も関係ない。川上はその心意気に応えたいだけだった。

 次節は愛する地元芦屋での周年記念。「この勢いで連覇を目指す」と鼻息は荒い。なによりも、今年は芦屋で11月にSGチャレンジカップが開催されるのも、芦屋の申し子にとっては、何よりものモチベーションになっている。「開催が決まった時点で目標は決まっている。何が何でも優勝します」。

 やまと学校で勝率3点台だった劣等生が、努力に努力を重ねG1ウイナーにまで上り詰めたサクセスストーリー。この話の続きにはまだまだ先がある。

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