【スプリンターズS】7歳馬ジャンダルムが親孝行V レース史上初母子制覇&産駒初タイトル

 スプリンターズSを制したジャンダルム(左)=撮影・三好信也
 ジャンダルムと荻野極騎手
 スプリンターズSを制したビリーヴ(右)=2002年9月29日、新潟競馬場
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 「スプリンターズS・G1」(2日、中山)

 秋のスプリント頂上決戦も波乱となった。3番手から抜け出した8番人気の7歳馬ジャンダルムがG1初制覇。母ビリーヴとレース史上初の母子制覇を達成した。2着には7番人気の3歳馬ウインマーベル、3着に春の高松宮記念覇者ナランフレグが入り、1番人気のメイケイエールは14着に惨敗。3連単は46万8950円と波乱の決着となった。

 この秋もジンクスは生きていた。平地G1で1番人気馬が14連敗。波乱を演出したのは、8番人気の7歳馬ジャンダルム。G1・2勝馬ビリーヴとレース史上初の母子制覇で、ついに険しい頂点を極めた。

 これ以上ない完璧な騎乗だった。スタートも決まった。最内で立ち遅れたテイエムスパーダが盛り返し、外からファストフォースがハナを主張。これを行かせてスッと3番手に控えると、抜群の手応えで直線へ。早々に坂下でスパーダをパスして先頭に立つと、鞍上の懸命の左ステッキに応え、力強く急坂を駆け上がる。最後は猛追する3歳馬ウインマーベルを首差しのいだ。

 デビュー7年目の荻野極は、3度目の挑戦でG1初制覇。派手なガッツポーズもなく、ステッキを持った左手でグッと拳を握って自身の胸元に寄せた。重賞自体、この馬で制した3月のオーシャンSに続く2勝目。「うれしいです。ジャンダルム、オーナー、調教師をはじめ、関係者、ファンの皆さまにも感謝の気持ちでいっぱいです」と喜びに浸った。

 デビュー2連勝でデイリー杯2歳SをV。続くG1に昇格したばかりの二千のホープフルSで2着に入った。池江師は「もともとスプリント適性が高いと思っていた。ただ、そうなったら(距離が)長いのは分かっていたけど、クラシックを目指さないと…。馬にかわいそうなことをしました」と回顧。大きな回り道に耐え、7歳にして最高の結果を出した愛馬をたたえた。

 母ビリーヴは02年に新潟で行われた当レースを勝っており、産駒初のG1勝利もプレゼント。“孝行息子”の今後は未定だが、師は「デビュー前から多くのファンに応援されてきた馬。物語の一翼を担えて感謝です」と感慨深げだ。普段の調教からコンタクトを取ってきた若き鞍上も「ボクの中で思い出の一頭になりました。ありがとう、ご苦労さまと言いたい」と改めて感謝。人馬でつかんだ栄冠は、これからも輝き続ける。

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