【有馬記念】エフフォーリア快走V 1番人気に応えG1・3勝目 横山武は父子制覇達成

 ディープボンド(左)、クロノジェネシス(右)をかわしたエフフォーリア(中央)=撮影・園田高夫
 馬上で観客に頭を下げる横山武
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 「有馬記念・G1」(26日、中山)

 文句なしの勝ちっぷりだ。ファン投票1位でレースでも1番人気に推されたエフフォーリアが、最後の直線で力強く抜け出して快勝。皐月賞、天皇賞・秋に続いてG1・3勝目を挙げた。鞍上の横山武史騎手(23)=美浦・鈴木伸=は2021年G1・4勝目。サクラローレルで96年有馬記念を制した横山典弘騎手(53)=美浦・フリー=との父子制覇を達成した。

 強い3歳世代を代表するエフフォーリアが、名実ともに現役最強を証明した。皐月賞では初めてG1を勝ち、ダービーでは屈辱の惜敗、そして天皇賞・秋ではコントレイル、グランアレグリアといった強豪古馬を撃破-。喜びと悔しさを分かち合ってきた相棒とともに、今年の総決算を白星で締めくくった横山武は「エフフォーリアの強さを見せられて良かったです」と静かに喜びをかみしめた。

 レース運びは冷静そのものだった。「これまでで一番長い距離で折り合いが不安だったが、ダービーと違って馬が余計なファイトをせず、道中はいいリズムで走れました」。中団で構え、目の前にはクロノジェネシス。終始、最大のライバルを見る形で進め、3~4角から動いて直線は外へ。残り1F過ぎで先頭に立つと、内からディープボンドが迫ってくる。「最後はがむしゃらに追った」。先頭で駆け抜けると「本当に感謝」と相棒をたたえた。

 検量室に引き揚げる直前、馬上でゴーグルと帽子を取ってファンへ2度、深々と頭を下げた。前日の中山5R新馬戦のことだ。エフフォーリアの半弟で、同じ鹿戸厩舎のヴァンガーズハートに騎乗した際、ゴール前の数完歩、追う動作が緩慢になったとして不注意騎乗で開催2日間(1月15、16日)の騎乗停止処分を受けた。「ファン、関係者の皆さんの信頼を失ってしまった」。グランプリを勝ったうれしさよりも、申し訳ない気持ちが先に立った。「(前日のことは)先生にとっていい気持ちではなかったはずだけど、先生の器の大きさに救われた。それだけ信頼してもらっているので、より一層結果を、と気が引き締まりました」。気合が入った一戦だった。

 ファン投票1位かつ1番人気で成し遂げた栄冠にも慢心はない。「僕がまだまだ未熟で至らない部分がたくさんある。エフフォーリアとのコンビが似合う騎手になっていきたい」。今年に入って自身はG1・4勝。急成長を遂げる23歳が、頼れる相棒とともに一層の進化を続けていく。

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