【スプリンターズS】ピクシーナイト 新電撃王 3歳馬完勝!福永、圧巻騎乗で導いた

 「スプリンターズS・G1」(3日、中山) 

 3番人気の3歳馬ピクシーナイトが好位から直線楽々と抜け出し、2馬身差の完勝でG1初制覇。3歳馬のVは07年アストンマーチャン以来6頭目で、8戦目での勝利は97年タイキシャトルと並ぶ最少キャリアタイとなった。2着に2番人気のレシステンシアが入り、3着には10番人気のシヴァージが突っ込んだ。1番人気のダノンスマッシュは伸びを欠いて6着に敗れた。

 テン良し、中良し、しまい良し。まさに120%のパーフェクト騎乗で、福永がデビューからコンビを組む3歳馬ピクシーナイトを、スプリント界の新チャンピオンに導いた。

 20年同様のモズスーパーフレアとビアンフェの逃げ争いを見ながら、絶好の3番手のポジション。ラスト200メートル過ぎ。いともたやすく2頭の間を割って抜け出すと、し烈な2着争いを尻目に悠々とゴール板を先頭で突き抜けた。

 鞍上は「正直、驚いています。いろいろなシチュエーションを想定していたけど、ここまでいいポジションに付けられるとは」と破顔一笑。デビュー前から「すごい馬になる」と公言してはばからなかったが、早々とスプリント界の頂点へ。「勝ったことで、こちらの想像を超える馬になる可能性が出てきましたね」と想定外のスピードで進化するパートナーを絶賛した。

 春はNHKマイルCに挑んだが12着と距離の壁にはね返された。ジョッキーの進言もあり、スプリント路線へ矛先を向けた。CBC賞、セントウルSは2着だったが、古馬を相手に互角以上に戦えることを証明。今回は中2週のローテでも、中間はミニ放牧で心身ともにリセットした。

 「本当はセントウルSを使わずに行きたかったが、賞金が足りなかったからね。5日間だけ放牧に出したけど、それが良かったかな」と音無師はリフレッシュ効果を強調。今後についてオーナーサイドと相談した指揮官は、「香港スプリント(12月12日・シャティン)に登録するけど、選ばれたら行くことになるでしょう」と明言した。

 秋のG1シーズンを最高の形でスタートした福永は、「母父がキングヘイロー(19年に死亡)の子で初めてG1を勝てた。ようやく恩返しができたかな」と秋晴れの空を見上げた。かつての盟友の血を受け継ぐ若きスプリント王の将来は前途洋々。「完成されてくれば、国内外を問わず、短距離界を引っ張っていく馬になる。楽しみしかない」と大きな期待を寄せた。

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