【菊花賞】コントレイル未知の距離も能力でカバー 偉業目指す矢作師に娘・麗が直撃

 偉業に挑む矢作師(左)にインタビューを行った矢作麗(家族による撮影)
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 「菊花賞・G1」(25日、京都)

 秋華賞で無敗の三冠牝馬デアリングタクトが誕生。さあ、お次は牡馬の番だ。無敗のクラシック2冠馬コントレイルを管理する矢作芳人調教師(59)=栗東=に、娘でタレントの矢作麗が直撃インタビューを敢行した。05年の父ディープインパクト以来となる、史上3頭目の無敗三冠が懸かる一戦。歴史的偉業に向けて、トップトレーナーが意気込みを大いに語った。

 ◇  ◇

 -いよいよ三冠の懸かる菊花賞です。皐月賞、ダービーを改めて振り返ってください。

 「皐月賞は枠順、馬場状態など、かなり厳しい競馬になった。サリオスは理想的な競馬をしたと思うし、その中で勝ち切れたことが大きかったね。それがダービーへの大きな自信になった。ダービーは皐月賞以上に自信があったし、想像していた通りのレースだった」

 -夏を越して、前走は神戸新聞杯。仕上げはいかがでしたが。

 「もちろん100%にはできなかったけど、順調だったので、それで十分と思っていた。負けていない馬なので、負けてはいけない、勝たなきゃいけないっていう命題と、あくまで前哨戦で仕上げ過ぎてはいけないという命題。難しかったけど、思った通りにいった。思った通りにいくところがあの馬の能力の高さだよね」

 -レース内容については。

 「とにかく負担なく勝てたというのが何よりですね」

 -春と比べて、どのあたりが変わりましたか。

 「あまり変わっていないな。変わってないのがいいところだと思うし、あそこまで強いと変わる必要がないと思う」

 -前走後の状態は。

 「大山ヒルズ(鳥取県)に戻せなかったので多少の不安はあったけど、非常に頭のいい馬。それほどテンションが上がらず順調に来た。カイバ食いも戻ったので、予定よりも何日か早く時計を出したぐらいだからね」

 -デビュー以来、中3週というレース間隔は初めてになります。

 「そうだね。ただ、前走の負担が軽かったから。中3週もあったら十分という感じ」

 -改めてストロングポイントを教えてください。

 「神戸新聞杯の4コーナーで一番良く分かることだけど、抜ける時のスピードが速いこと。騎手のサインに瞬時に反応する。スッと抜けられないと前が狭くなることがあるけど、そこのスピードが速いから不利を受けづらい」

 -舞台の京都は初めて。

 「そういえば初めてだね。ドボドボのひどい道悪になるのだけが嫌だな。枠順は内の方がいいけど、それほど気にしていない」

 -未知の距離についてはいかがですか。

 「良馬場でやって普通の競馬をして負ければ、これは距離でしょう。明らかにね。最初から言っているように、適性じゃないことは分かっているので。それでも、能力の高さでクリアしてくれるのでは、と思っています」

 -改めて、矢作調教師にとっての“三冠”とは。

 「シンザンに憧れて、競馬に入った人間ですから。日本人にとって“有馬記念が最後の締め”というのと同じで、特別なものだと思います」

 (続けて)

 「高校生の頃、シンザンの写真を部屋に飾っていたからね。あと、一番印象が強いのは(コントレイルの)お父さんであるディープインパクト。それは間違いない」

 -勝てば、無敗の三冠馬から無敗の三冠馬が誕生することになりますね。

 「ディープは死んじゃったし、さらにお父さんの名声を高めてあげたいと思う」

 -ファンが知らないコントレイルのエピソードを教えてください。

 「よく寝る。それだけオン、オフがしっかりとできていて休めるということ。寝るということは脚元が休まるということだから、寝る馬は大好き(笑)」

 -制限付きとはいえ、当日は有観客競馬です。

 「それだけでも、うれしいこと。もう少し人を入れてもいいのに、と思いますけど。それでも、無観客とは大きく違うので、入ってくれることはうれしい」

 -デイリースポーツの読者にメッセージをお願いします。

 「ダービーを勝ったあたりから、僕らだけの馬じゃないというか、ファンの馬、日本競馬全体の宝だと思っています。大事に育てていますし、どんな競馬をするか、僕も楽しみにしているので、皆さんも楽しみにして応援してください」

 ◆矢作芳人(やはぎ・よしと)1961年3月20日生まれ、東京都出身。父は大井競馬の矢作和人元調教師。開成高校を卒業後、豪州での修業などを経てJRAの厩務員に。その後、調教師試験を14回目にクリアして05年に開業した。数々の重賞タイトルを手にし、12年にディープブリランテでダービー初制覇。14年には初の全国リーディングに輝いた。今年は既にJRA・G13勝をマーク。トップトレーナーとして国内外にその名をとどろかせている。

 ◆矢作麗(やはぎ・れい)1989年1月14日生まれ、滋賀県出身。父はダービートレーナー・矢作芳人調教師。京都女子大学在学中の10年にミスキャンパスに輝き、卒業後はタレントとして活躍。現在、競馬専門番組・グリーンチャンネルやラジオ関西、MBS「GOGO競馬サタデー!&サンデー!」などに出演中。特技は茶道。趣味はショッピング、カフェ巡り。身長153センチ。血液型B。

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