【フェニックス賞】ヨカヨカ、連勝へ 豪雨被害の地元・熊本に希望の1勝届ける
「フェニックス賞」(15日、小倉)
さあ、待ちに待った夏の小倉開催が開幕する。オープニングの土曜9R・フェニックス賞(2歳オープン)には、6月のデビュー戦(阪神)で一般馬相手に新馬勝ちした熊本産のヨカヨカ(牝、栗東・谷)が登場。勢いに乗って連勝を狙う。豪雨被害に遭った地元に希望と勇気を与える勝ち星を-。九州産期待の星が、夏真っ盛りの小倉の開幕週を大いに盛り上げる。
“故郷”の九州で希望の1勝をつかみ取る。熊本産のヨカヨカ。九州産限定のある小倉開催まで待たず、陣営が選んだのは6月阪神の新馬戦だった。メンバー最速の上がり3F34秒7の末脚で差し切って快勝。一般馬相手の新馬戦における九州産Vは17年のレグルドール以来、3年ぶりの快挙となった。また、この時の2着馬モントライゼが次戦で後続に1秒7差の大差勝ちし、この勝利の価値がさらに高まった。
入厩当初は目立たなかった。「最初は攻め馬でウッドチップに脚を取られてばかりだったけど、日を追うごとに良くなった」。担当する川端助手が目を細めるように、進化と成長を重ねている。「毎年のように九州産を担当しているけど、センスはいいのに気の悪い馬が多いなぁ…というのが九州産の印象。でも、この馬は気性が素直で、取り付く脚も速い。これからも九州産の型にはめたくないですね」と性能の高さを強調する。
引き続きコンビを組む福永は03~07年まで同レースを5連覇しており、「開幕週だから、のんびり構え過ぎても良くない。二の脚があって、レースの流れには乗れるはず。引けは取らないと思う」と意気込む。
ヨカヨカの新馬勝ちは地元紙でも取り上げられるほど、大きな注目を集めている。「馬産地が盛り上がるのならうれしい。豪雨被害に遭われた方々にとっては競馬を見る余裕もないかもしれないけど、少しでも元気づけられたら」と同助手は話す。九州産のフェニックス賞Vは、98年のコウエイロマン(鹿児島産)以来となる。夢と希望を背に、小倉のターフを全力で駆け抜ける。(デイリースポーツ・井上達也)