四位「幸せな騎手人生だった」 無観客の中で引退セレモニー

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、JRA(日本中央競馬会)が創立された1954年以来、初の無観客での開催が2月29日、阪神、中山、中京競馬場で行われた。

 無観客の静かな阪神競馬場のスタンドに、関係者の温かい拍手が響いた。調教師転身のため、騎手ラストデーを迎えた四位洋文(47)=栗東・フリー。最初の騎乗となった3Rを勝利し、JRA勝ち鞍を1586勝に伸ばした名手だったが、5Rで騎乗停止処分となるハプニングも。最後の騎乗となった12R終了後は、馬を落ち着かせてから一番最後に引き揚げる、いつものルーティンで検量室前に戻った。

 約100人の関係者が見守った引退式では、友人から花束を贈られ、最後の勇姿を見届けた家族らが見守る中、胴上げの祝福を受けた。「たくさんのお馬さんや仲間たちに出会えました。小さい頃からの夢だったダービーをふたつも勝たせてもらって、幸せな騎手人生だったと思います」と感謝した。

 本来なら多くのファンが囲むはずだった。予期せぬ形でかなわなかったが、「ファンのいない競馬場は寂しいです。きょうで騎手を引退しますが、調教師としてまたこのウイナーズサークルに帰ってくることができるように頑張ります」と思いを届けた。

 次のステージへ-。「あすからトレーナー。また忙しくなります」。夢は調教師としてダービーを勝つこと。そして、若手を育てたい思いもある。仲間に慕われ、馬を愛した30年の騎手生活が幕を閉じた。

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