【紫苑S】パッシングスルー重賞初V ディアドラ、ノームコア…出世レース鼻差制す
「紫苑S・G3」(7日、中山)
2番人気のパッシングスルーが、ゴール前の攻防を鼻差で制してうれしい重賞初制覇。鞍上の戸崎圭に先約がある関係から今後は未定だが、出世レースを制したとなればさらなる飛躍に期待ができそうだ。2着フェアリーポルカ(6番人気)、3着カレンブーケドール(1番人気)までが秋華賞(10月13日・京都)の優先出走権を獲得した。
内か外か。しびれるようなゴール前の激しい争いは、際どい鼻差で外パッシングスルーに軍配が上がった。「レース直後は勝ったかなと思いましたが、あとで映像を見たらヒヤヒヤでしたね」と戸崎圭。僅差の勝利だったとはいえ、秋競馬の開幕を飾る重賞Vに笑みがこぼれた。
理想通りのレース運びだった。好発からスムーズに3番手のポジションにつけ、直線に入ると満を持してスパート。最後は勝負根性で初タイトルをモノにした。「自分の仕掛けどころさえ間違えなければ、と思っていました。すごく乗りやすいし、牝馬の割にパワーもある。これからが楽しみ」と鞍上は絶賛する。
「思い描いた調整ができたし、きょうは落ち着いていました。自信を持って送り出しました」と黒岩師は満足げに振り返る。今後は福島県のノーザンファーム天栄へ放牧。戸崎圭にはオークス4着馬ウィクトーリア(ローズSに出走予定)がいるため、秋華賞出走に関して師は明言しなかったが、エリザベス女王杯(11月10日・京都)も視野に入っており、いずれにしても大舞台での活躍に期待できそうだ。17年ディアドラ、18年ノームコアと、近年覇者はG1ホースに。出世レースを制したルーラーシップ産駒の前途は洋々だ。