渡辺師が受け継ぐ「古き良き時代」

 「ホッとした」。先週、ヴァルディゼールでシンザン記念を制した渡辺薫彦調教師(43)=栗東=が笑みを浮かべる。「焦りはなかったけど、勝ちたい思いはありましたね。これまでも惜しいレースがあったから」。17年ニュージーランドTのメイソンジュニア、同年シリウスSのドラゴンバローズで2着など、あと一歩及ばなかった。厩舎開業から2年10カ月。18戦目の重賞挑戦で初めて手にしたタイトルは格別だった。

 騎手時代はナリタトップロードとのコンビでファンを沸かせるなど、JRA通算339勝を挙げた。「ジョッキーの時はそれほど思わなかったけど、馬は産まれてから牧場で3年近くを過ごしますから。今は違った重みと喜びを感じています」と競走馬を預かる立場に変わり感慨深けだ。

 自ら調教をつける毎日を送っている。「馬の上が一番リラックスできる。ホースセラピーですね。(師匠の)沖先生も乗っているし、岩元先生(昨年2月末に引退)からも“馬には乗った方がいい”と言われて。古き良き時代の…っていうのも受け継いでいきたいんです」。年明け早々、幸先いいスタートを切ったが、重賞初制覇は通過点。次のステージへと歩を進める。(デイリースポーツ・井上達也)

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