【競馬】勝ち星量産ノーザンファーム天栄の馬に今後も注目

 2018年。競馬界もさまざまな出来事が起こった。障害の王者オジュウチョウサンの平地挑戦、武豊のJRA通算4000勝、アーモンドアイのジャパンC世界レコードなど話題に事欠かなかった年ではないだろうか。

 そんな中、私が印象に残っているのは、ノーザンファーム(以下NF)のこれまで以上の躍進ぶりである。JRAで行われたG1競走27のうち16レースを制し、勝利数、獲得賞金ともに過去最高を記録した17年をさらに塗り替えた。また、2歳戦も飛躍的に数字を伸ばし、176勝を記録。3つ行われた2歳G1全てを勝利し、来年のクラシック戦線に向けて早くも盤石の態勢を築いた。

 とりわけ、関東の拠点基地・NF天栄が送り出した馬の好成績はすさまじい。前述した牝馬三冠&JC制覇のアーモンドアイを筆頭に、今年のG1馬はレイデオロ(天皇賞・秋)、ブラストワンピース(有馬記念)、フィエールマン(菊花賞)、ステルヴィオ(マイルCS)、ワグネリアン(ダービー)…と豪華がメンバーがズラリ。年々数字を伸ばすスゴさの秘密はどこにあるのか、同ファームの木實谷(きみや)雄太場長に話をうかがった。

 「この手の質問はよく聞かれるのですが、最前線にいる天栄、しがらきだけでなく北海道の育成部門やイヤリング、そして繁殖まで含め、それぞれのセクションで試行錯誤した成果が表れているのだと思います。その最たるものだと考えられるのが現3歳世代の好結果です。この世代は例年以上に北海道から内地への移動が早く、それに伴ってデビュー時期も総じて早くなりました。当然、勝ち上がる頭数も増え、層に厚みが増して、このような好結果につながったのだと考えています」

 また、昨年は前哨戦を使わないアーモンドアイやラジオNIKKEI賞2着から菊花賞に直行したフィエールマンなど、異例のローテと言われる形でのG1制覇が多かった印象だが、それについてはどう考えているのだろうか。

 「それもよく聞かれますね。ただ、これも単純に年々積み重ねてきたノウハウが成果として表れただけだと思います。逆にこうした前例のない臨戦で結果を残すことによって、さらなる調整のバリエーションが増えたと感じています。これからも固定観念にとらわれることなく、どのようにアプローチすれば目標のレースにいい状態で出走させることができるのか、あくまでも馬本位で進めていきたいですね」

 ここまで独走状態を続けていながら、今後の課題などはあるのだろうか。

 「NF生産馬の美浦所属馬はG1勝利数や重賞勝利数こそ増えましたが、勝利数は前年比微増にとどまり、出走回数ならびに一頭あたりの出走回数も減ってしまいました。JRAに所属する全体の馬も一頭あたりの出走回数が減っているので、決してNFだけの問題ではないのかもしれませんが、馬主の方や出資会員の皆さまのためにも一回でも多く出走させて、いい結果を追い求めていかなくてはなりません。また、依然として短距離路線やダート戦線での層の薄さは課題としてあっており、こちらについても調整方法の見直しなど、具体的に行動して取り組んでいくつもりです」

 生産から育成、そして外厩といったグループ全体の力を高め続けて大レースを勝ちまくるNF。19年もその勢いを加速させていくことは間違いないだろう。予想においても同ファームの名前があるだけで何割増しかの加点をしていたが、今後もこれまで以上の重要なファクターとして扱わねばなるまい。(デイリースポーツ・刀根善郎)

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