凱旋門賞は当日少しでも馬場が渋ればエネイブルが堅軸
「魁!海外馬券塾」(20日)
今年の凱旋門賞は2通りのパターンを考えている。まずは少しでも馬場が渋った場合は3歳牝馬エネイブルを堅い軸馬として扱いたい。
雨中で争われた英オークスと“キングジョージ”(ともに英国G1)をいずれも圧勝。キングジョージの2着馬ユリシーズは今期G12勝の古馬トップクラスだが、これを相手にしなかった。楽に好位置を取れる操縦性の高さと他馬を突き放す時の力強い脚を兼ね備えた、頂点に立つのにふさわしい馬である。
だが、芝2400メートルのG1を4連勝中のエネイブルの勝ち時計はいずれも2分30秒を超えるもので、昨年の凱旋門賞の2分23秒6に近いスピード決着は未知の領域。もうひとつのパターンが昨年3着までを独占したA・オブライエン厩舎が、チームプレーで昨年同様の展開をつくった場合だ。
昨年2着のハイランドリールと3着オーダーオブセントジョージに加え、愛ダービーと英セントレジャーを連勝中の3歳牡馬カプリが参戦の見込み。2つ目のパターンでは、ムーアが最終的に騎乗するオブライエン厩舎の馬が最有力候補となる。
重馬場、スピードの持続力比べのいずれもサトノダイヤモンドに向いた競馬ではない。硬い馬場で、緩い流れからの瞬発力勝負になった場合に上位進出の期待をかけたい。(海外遠征コーディネーター・田中敬太)