「日経賞・Ｇ２」（２５日、中山）

　紆余（うよ）曲折を経て迎えた４歳の春。シャケトラが２度目の重賞挑戦でＧ１ホースを完封。待望の重賞タイトルを手にした。

　スタートで少し後手に回り、道中は中団より後ろ。徐々に縦長となる展開にも鞍上は動じない。レースが動いたのは向正面過ぎ。軽く促すと外からスルスルと進出開始。迎えた直線。外から１完歩ずつ前を追うと、楽な手応えのまま先行馬をまとめてかわし去った。

　初コンビで重賞ウイナーへと導いた田辺は「１週前追い切りに乗せてもらった時に走る馬だと感じて、厩舎の期待も伝わってきた。上に行きそうな性格と体をしていて、春の主役になれる馬だよ」と断言し、大きく胸を張った。辻野助手は感慨深げだ。「２歳夏の北海道シリーズで入厩していたが、骨折やソエが出たりしてデビューが遅れた。成長を促したのが実を結んでくれましたね」。苦労を乗り越えてようやくつかんだ初タイトル。喜びも倍増だ。

　通算６戦４勝、２着１回、３着１回とまだ底を見せていない。田辺は「まだ緩い体をしているし、伸びしろはたくさんある」と寄せる期待は大きい。東の横綱（ゴールドアクター）はねじ伏せた。残るはサトノダイヤモンド、キタサンブラックという西の両横綱だ。天下統一へ向け、視界は一気に広がった。