1. ホーム
  2. うま屋

武豊がスター街道を歩むきっかけとなった87年京都大賞典

続きを見る

 千里の道も一歩から-。先日、前人未踏のJRA所属馬による通算4000勝(地方、海外を含む)を達成した武豊騎手。新たな金字塔を打ち立てた名手の重賞初制覇は、今から29年前。京都大賞典だった。

 87年。3歳時にオークスを制したトウカイローマンだったが、その後は5歳時にオープン特別のジューンSを勝ったものの、重賞では善戦止まりだった。6歳の夏。同馬を管理していた中村均調教師は思い切った決断をする。8月のG3・小倉記念に、同年にデビューしたての新人・武豊を鞍上に指名した。

 中村が当時を振り返る。「懐かしいね。あのときのユタカ君はまだ減量が取れていなかったんじゃないかな?1番人気に支持されたんだけど、5着だったかな。ただ、あの年の夏は馬の調子がもうひとつだったんだ」。

 当時、重賞レースに新人を乗せるのは「調教師として勇気がいることだった」と中村は話す。それでも、伸びあぐねるローマンを変えられるのは彼しかいない。中村に迷いはなかった。「デビュー時からずっと彼を見ていたが、他の騎手とは違う“何か”を持っていた。それは“彼なら一発やってくれるのではないか?”という期待感。上手いとか下手とかではなく、大スターになりそうな雰囲気を持っていた」。

 小倉記念で5着に敗れたローマンは、中村の懇願もあり、次戦の京都大賞典も武豊とコンビを組むことになった。「彼のお父さんの武邦彦さんにそのことを伝えたら“ユタカで大丈夫?もっといいジョッキーがいるんじゃないの?”って話していたのを覚えている。人気もなかった(9頭立て6番人気)し、彼の可能性にかけてみたけど、ちょうど馬も秋になって調子を上げてきたんだ」。

 レースは好位4番手をソツなく進み、4角で大外へ持ち出す。直線半ばで先頭に躍り出ると、鮮やかに後続の追撃を振り切った。「あの京都大賞典は、まさにこちらの期待に応えてくれたレースだった。一発やってくれたよね。彼はあの勝利から注目され始めて、確か翌週の京都新聞杯も関東馬(レオテンザン)で勝ったんじゃないかな?その後も着々と勝ち星を積み上げて、大スターへの道を歩んで行ったよね」。

 久々の重賞タイトルを手にしたローマンは次戦、世界の強豪が集うジャパンCに参戦。中村は引き続き、鞍上に武豊を指名した。「戦前にレセプションがあってね。世界のトレーナーやジョッキーら、そうそうたるメンバーが集まった。そのなかで、僕もまだ30代で若かったけど、メディアのインタビューに答えていたユタカ君は、確かまだ丸刈りだったと思うよ。惨敗(11着)したけど、今ではいい思い出だね」。

 実は、武豊の初めての日本ダービー参戦も中村の管理馬(88年コスモアンバー16着)。のちの4000勝ジョッキーのブレークのきっかけを作ったのは、中村といっても過言ではない。「スターになるまでの駆け上がり方がものすごかった。駆け足で、急な階段を走って登っていく感じだったね。一気に駆け上がってしまったから、デビューから2年もしたらもう頼めなくなったよ(笑い)」。

 一方、功労馬とも言えるトウカイローマンは、ジャパンC11着後の有馬記念(11着)がラストランに。実は、繁殖入り後にこの馬がのちの名馬トウカイテイオーの出生の鍵を握るのだが、それはまた別の機会に話させてもらおう。いずれにしても、名手の大記録達成へのターニングポイントが87年京都大賞典だったのは間違いない。今年で51回目を迎える伝統の一戦。47歳となった武豊は今年、G1・2勝馬キタサンブラックとのコンビで11年ぶり8度目の勝利を目指す。(松浦孝司)

記事をシェアする
twitter
facebook
line
hatena

ニュース

 2歳未勝利をコウジハラで制した小林美駒(撮影・園田高夫)

NEW 2025.12.27

小林美駒が今年のJRA37勝目&同通算66勝目「本当に優秀な子です」

 27日の中山1Rで、小林美駒騎手(20)=美浦・鈴木伸=が1番人気のコウジハラ(牝2歳、美浦・西田…

一覧を見る

馬体診断 - 有馬記念

レガレイラ

有馬記念

ダノンデサイル

有馬記念

ミュージアムマイル

有馬記念

メイショウタバル

有馬記念

ジャスティンパレス

有馬記念

タスティエーラ

有馬記念

シンエンペラー

有馬記念

アドマイヤテラ

有馬記念

サンライズアース

有馬記念

ミステリーウェイ

有馬記念

シュヴァリエローズ

有馬記念

エルトンバローズ

有馬記念

マイネルエンペラー

有馬記念

コスモキュランダ

有馬記念

サンライズジパング

有馬記念

アラタ

有馬記念

レガレイラ

ダノンデサイル

ミュージアムマイル

メイショウタバル

ジャスティンパレス

タスティエーラ

シンエンペラー

アドマイヤテラ

サンライズアース

ミステリーウェイ

シュヴァリエローズ

エルトンバローズ

マイネルエンペラー

コスモキュランダ

サンライズジパング

アラタ

有力馬次走報

一覧を見る

今週の注目レース

あと
1

G1 有馬記念

12/28(日) 15:40発走 中山芝2500メートル 定量 3歳以上オープン

本日開催

G2 阪神C

12/27(土) 15:25発走 阪神芝1400メートル 定量 3歳以上オープン

本日開催

G1 ホープフルS

12/27(土) 15:45発走 中山芝2000メートル 馬齢 2歳オープン

  1. 競馬新聞「馬サブロー」

的中速報

12月21日 中山11R

3連単
34,590円的中!

佐野裕樹

佐野裕樹

12月21日 中山9R

3連単
24,530円的中!

井上達也

井上達也

主要ニュース

  1. オズワルド伊藤 破局「98%俺が悪い」
    オズワルド伊藤 破局「98%俺が悪い」
     お笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介が26日深夜放送のテレビ東京系「出川哲朗のプロ野球順位予想2025答え合わせ大反省会」に出演。4年交際していた蛙亭・イワクラとの破局について言及した。
  2. ダル 日本の外食チェーン店に「感動」
    ダル 日本の外食チェーン店に「感動」
     パドレス・ダルビッシュ有投手が27日、Xを更新。家族で日本に帰国し、外食チェーン店「なか卯」で食事したことを明かした。
  3. 何頭身?バレー女子代表オフショに反響
    何頭身?バレー女子代表オフショに反響
     バレー女子日本代表・佐藤淑乃(NEC川崎)が25日、インスタグラムを更新。「少し前にクリスマスディズニーへ行きました」と、オフショットを投稿した。
  4. 当日に激震!寺地のサウジ世界戦消滅か
    当日に激震!寺地のサウジ世界戦消滅か
     27日にサウジアラビアで開催されるボクシング世界戦興行で、IBF世界スーパーフライ級タイトルマッチに臨む元世界2階級制覇王者の寺地拳四朗(33)=BMB=と対戦予定だった王者ウィリバリド・ガルシア(36)=メキシコ=が26日の前日計量後に体調を崩して入院したため、試合が中止となることが同日、明らかになった。米老舗専門誌リング誌が報じた。同誌によれば、主催するサウジアラビア総合娯楽庁のトゥルキ・アラルシク長官が代替の対戦相手を2人リストアップしているという。
  5. 高山一実、ふくらPと約1年半で離婚
    高山一実、ふくらPと約1年半で離婚
     元乃木坂46でタレントの高山一実(31)が27日、クイズ作家などとして活躍するふくらP(32)と離婚したことを自身のSNSで発表した。