【ボート】金子が魅せる!魂の走り 今年10優出V3…地元で結果を

 「センプルカップ・G1」(9日開幕、尼崎)

 逆境でこそ力を発揮してみせる。金子龍介(41)=兵庫・77期・A1=が魂の走りで地元ファンを魅了する。今年はここまで10優出V3。だが「まだ3回しか優勝していないという感じ」と本人の評価は厳しい。「得点率トップで優勝戦1号艇なのに“飛んでる”時もある。そういう時は足的にも、だましだまし乗った時だけど、そういう時にこそ勝てていないのはやはり本物じゃない」とキッパリ。

 機力を仕上げられなかったのももちろんだが、他にも悔しさの理由がある。「他場でも初日12Rの1号艇で乗せてもらうことがある。そういうところはより気持ちが入るし、勝ちたいと思う」。一般戦では主役の扱いを受ける身。ファンだけでなく、関係者の期待を背負う意味を理解している。だからこそ、その期待に応えきれなかった時、悔しさが増すのだ。

 金子の魅力の一つにS力がある。直近3カ月の平均STはコンマ13。「過剰な自信はないけど、Sする時の緊張感とかは嫌いじゃない。人も見ないし、特にインからなら見ない。あの集中する瞬間が好き。尼崎ならSも大丈夫。気持ちの持って行き方だったり、そこに持って行くコントロールがうまくなった。それはやっぱり経験だったりとか気持ちかな」。期末の10月住之江でF2となってしまったが、11月からは期も一新。21年にも及ぶ選手生活で培った土台があるだけに、攻める姿勢は崩さないだろう。

 何より地元周年記念では誰よりも悔しい思いをしている。今年の1月は準優で転覆失格。14年6月は優勝戦1号艇ながら6着敗退とチャンスをモノにすることができなかった。「負けた記憶しかない。(14年は)足が来てなかったけど、今思うとビビる必要はなかったのにと思う。あの時は(勝った)毒島君が出てたし、プレッシャーになった」と2年前の一戦を振り返る。

 今年はその悔しさを全面にぶつけることになるかと思いきや「リベンジというのはない。もちろんレースでやられたらやりかえしたろうというのはある。でも自分は淡泊だから、目の前のレースに集中するだけ」とさばさばとしたものだ。

 今回はどう戦いに挑むのか。「いつも通りのレースをするだけ。エンジンなりに」と、変わらず自然体で臨む構えだ。

 9月の当地一般戦では平凡機に苦しみ、まさかの予選敗退。それでも連日ペラ調整に励み、後半の2日間は(2)(2)(1)着と意地を見せた。「悪いエンジンを引いても諦めない。整備やペラ調整をするのも努力じゃない。自分が納得したいだけ。技術とかじゃなく、気持ちで走るタイプだから」とキッパリ。レースにもはっきりと出るその熱い走りが地元ファンに届き、そのファンの声援を今度は金子が力に代える。地元をこよなく愛する男が、今年こそ結果を残してみせる!

関連ニュース

編集者のオススメ記事

競馬・レース最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(競馬・レース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス