【天皇賞】エイシンヒカリ史上2頭目の秋盾逃げ切りVへ万全

 「天皇賞(秋)・G1」(30日、東京)

 世界レベルの快速を見せつける準備が整った。2走前のイスパーン賞・仏G1で10馬身差の圧勝を決め、現在世界No.2のレーティングを誇るエイシンヒカリが26日、栗東CWで6F79秒8をマーク。折り合いを欠いた1週前とは違い、鞍上の武豊と息を合わせてリズム良く駆け抜けた。2番手追走から9着に沈んだ昨年を踏まえて、陣営は積極策を示唆。1987年のニッポーテイオー以来、2頭目となる秋盾逃げ切りVを狙う。

 日本でG1を勝つラストチャンス。武豊は最大限の集中力でエイシンヒカリにまたがった。折り合いに専念し、栗東CWの1、2角を慎重に通過。向正面をリズム良く駆ける。直線、鞍上のゴーサインに応え、1F12秒5の鋭いフィニッシュ。1週前は掛かって6F77秒5の猛時計でラスト1F13秒6と一杯になったが、今回は6F79秒8-36秒8-12秒5。しっかりと修正してきた。

 「先週は持って行かれたので折り合いを重視。前半ゆっくり走ってくれてラストの伸びは良かった。強い調教をしたかったから、その意味ではしっかりできた。態勢はきっちり整ったと思うし、いい状態で臨める」

 香港C・香港G1を制し、今季初戦のイスパーン賞・仏G1を圧勝。が、前走のプリンスオブウェールズS・英G1では6頭立ての最下位に敗れた。起伏の大きいコースが最大の敗因と言われるが、ユタカは「おむすび型のコースで最初のカーブを回った時、ガツンとスイッチが入った」と折り合いを欠いたのを悔やむ。

 スピードがあるゆえ気性も激しい。昨年の天皇賞・秋(9着)は「パドックからイレ込み、地下道では振り落とされそうになった」そうだ。「(当時は毎日王冠Vからの)中2週の影響があったのかも。それを踏まえてのぶっつけだと思う」と、坂口師同様に休み明けはプラスに出るという見方だ。

 天皇賞・秋が2000メートルになってから、逃走Vを決めたのは1987年のニッポーテイオー1頭のみ。逃げ切り至難の舞台なのは十分に分かっている。1年前はクラレントに先手を奪われ、2番手から見せ場なく失速した。

 「逃げないと駄目ではないが、気分良く走れるか否か。先手を取るのがベストかな。日本でG1を勝つラストチャンス。力を出し切れば克服可能だと思う。自分との戦いだね」。ユタカは正攻法での勝利で、世界レベルの走りをファンの前で披露するイメージを描いている。

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