【有馬記念】オルフェ&池添復活走

 「有馬記念・G1」(22日、中山)

 有馬記念を最後に引退するオルフェーヴルが12日、栗東坂路で1週前追い切りを行った。コンビ復活となる池添を背に躍動感あふれる動きを披露。ファン投票2年連続1位の5冠馬が順調な仕上がりをアピールした。

 半年ぶりに栗東坂路で味わう最強馬の背中は、やはり格別だった。引退の時が迫るオルフェーヴルの1週前追い切りは、4F53秒4‐39秒3‐12秒7。悪い馬場コンディションを考えれば上々の数字だ。コンビ復活の池添は納得の笑みを浮かべた。

 「しまいもしっかり来ているし、真っすぐ走っていましたからね。春と比べても変わりない。順調だと思います」。1週前から乗るのが、いつものパターン。変わらぬ感触に、確かな手応えをつかんだ。

 ダノンウィスラー(5歳1600万下)を1馬身追走する形でスタート。前半は頭を上げるところを見せて、やんちゃぶりを発揮していたが、程なく折り合いが付いて、前に並び掛ける。追い出されたのはラスト1F。ピッチを急激に上げると、一気にトップスピードへ。力強いフットワークで坂を駆け上がり、パートナーと併入した。

 「乗れることが純粋にうれしい」。池添がストレートに喜びを表現するのには理由がある。忘れもしない6月13日。宝塚記念1週前追い切り後、運動誘発性肺出血を発症し回避する事態になった。

 その日、池添は調教騎乗後に宝塚記念の取材を何本もこなしており、アクシデントを知らされたのは全ての撮影が終わってから。「聞いた時、正直言ってもう乗れないなと思いました」。その時点で既に凱旋門賞ではスミヨンの再登板が決定しており、有馬記念に使う見通しもなかった。“また乗れるとは”というのは偽らざる心境だろう。

 「追い切りに乗って、自分の気持ちも引き締まってきた。ラストになるので、しっかりと飾りたいという気持ちが強いです」。フランスでの手綱こそスミヨンに譲ったが、これまでオルフェの5冠全てを導いてきたのは、池添である。主戦としての誇りを胸に、自らの手で最終章を締めてみせる。

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