【秋華賞】セキショウこん身勝負仕上げ

 「秋華賞・G1」(13日、京都)

 セキショウを担当する長島厩務員が汗を拭う。「定年が近いというのに、こうしてG1に出られる馬をやらせてもらえるなんて幸せだよ」。この道40年=名門・二本柳俊夫厩舎で24年、現在の杉浦厩舎で16年。馬一筋の人生を送ってきたが、65歳の誕生日を迎える12月9日で定年を迎える。

 「大きなケガや病気がなかったのが一番」と穏やかな笑みを浮かべる大ベテランは00年の日経賞で大穴をあけたレオリュウホウや、昨年の京成杯AHを世界レコードで制したレオアクティブなど数多くの名馬を手掛けてきた。一番の思い出となる馬は02年のNHKマイルCを勝ったテレグノシスだ。「フランスや香港にも連れて行ってくれた。狙ったレースを全て使えたのがすごかった」と目を細めた。

 東のトライアル・紫苑Sで鮮やかな逃走Vを決め、大一番へのチケットをゲットしたセキショウとともに最後になるかもしれないG1舞台のパドックを歩く。11日、枠順は(3)枠(5)番に決まった。「内に越したことはないが、ここなら良かった。速い馬もいるみたいだけど、この馬の競馬をするだけだからな」とドッシリ構える。

 当日は家族を京都競馬場に招く。「最後だからね。とにかく男馬みたいにドッシリしているし、カイバもしっかり食べて落ち着いているのがいい。ここでいい走りをしてくれたらエリザベス女王杯でもう一度…なんて話になるといいね」。まさにこん身の仕上げを施してレースへと送り出す。

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