【秋華賞】良血馬ルビー心身ともに成長

 「秋華賞・G1」(13日、京都)

 戴冠の準備は整った。前哨戦のローズSを制して勢いに乗るデニムアンドルビーが9日、ラスト1冠奪取に向けて最終リハを行った。派手なアクションこそなかったが、我慢の利いた走りで好仕上がりをアピール。春のオークスこそ3着に終わったものの、ひと夏を越して心身ともに成長。不器用なレースぶりを陣営はあえて矯正せず、能力の高さを信じ抜く。父ディープインパクト譲りの末脚でライバルを蹴散らす構えだ。

 ラスト1冠奪取に向けて視界は良好だ。オークス3着馬デニムアンドルビーが、栗東CWで3頭併せを行った。

 見た目自体は地味な最終リハ。それでも、目下の活気を示すには十分だった。道中はダノンフェニックス(5歳500万下)、フルーキー(3歳1600万下)の後ろで淡々と運行。4コーナーで最内から2頭に並びかけ、直線ではしっかりと我慢を利かせながら馬なりでフィニッシュ。前者には半馬身先着、後者と併入を果たした。タイムは6F85秒7‐39秒7‐12秒4。2週連続で栗東に駆け付けた内田博は「感触を確かめる程度。いい動きをしていたね。これで十分じゃないかな、という走りだった」と満足げに振り返った。

 前哨戦のローズSは、最後方18番手から豪快にまくり上げて完勝。重馬場も難なくはねのけ、並み居るライバルをパワーでねじ伏せた。「あんなに後ろから行くつもりはなかった。スタートで二の脚がつかなくて、馬場も重いせいか仕方がなかったね。でも、終わってみればあれだけの強さ。能力がないとできない芸当だと思うよ」。一層、破壊力を増した末脚に絶大な信頼を寄せる。

 父はディープインパクト、母の父はキングカメハメハ。ともにオーナーの金子真人氏(馬主登録名は金子真人ホールディングス)が所有していた馬だけに、その結晶たるデニムアンドルビーに懸ける思いは当然のことながら大きい。オークス前に今年の凱旋門賞に登録していたことからも、その期待度の高さは推測できる。「中間、これだけ併せ馬でしっかりとやれるということは調子がいい証拠だね。休み明けを使ってさらに良くなっている。今回はもちろん、この後も大きなタイトルを獲れる器だと思う」と今回で4戦連続のタッグとなる鞍上も素質の高さに太鼓判を押す。体質の弱さを抱えながら、どうにかたどり着いた樫の舞台とは違う。心身ともに成長を遂げ、満を持して迎える秋の最大目標。力が入るのも当然だ。

 紛れの多い京都の内回り。後方から末脚届かず‐そんなシーンも十分に考えられるが、主戦はあくまで泰然自若だ。「コース形態を考えて騎乗をしないと。ただ“私に任せなさい”ぐらいの感じで走る馬だからね。持ち味を生かして」。ポテンシャルの高さ、状態の良さを生かせれば、自然と世代の頂点をつかみ取れると信じている。

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