【セントライト記念】ユールV菊の新星

 「セントライト記念・G2」(17日、中山)

 台風の影響で1日延期されて行われた菊のトライアル。重賞初挑戦馬が見事に本番切符を手にした。前走で500万下を勝ち上がったばかりの3番人気ユールシンギングが、ゴール前の強襲劇で初のタイトルを奪取。東の新星として大舞台を目指す。鼻差2着のダービーフィズ、後方から追い上げた3着アドマイヤスピカまでが、菊花賞(10月20日・京都、芝3000メートル)の優先出走権を獲得。1番人気に推されたヒラボクディープは13着に大敗した。

 台風一過の青空の下、東の新星ユールシンギングが重賞初挑戦で大仕事をやってのけた。

 1日の新潟で500万下を勝ったばかり。「重賞を走ってきた馬にもまれたことがなかったし、(体力を)消耗しないように心掛けました」と北村宏。4戦連続でコンビを組む鞍上は中団の外でじっくりとレースを進めた。4角手前からは重賞の常連ダービーフィズに外からふたをされる。しかし、そんな洗礼にひるむことはなかった。道が開けたのは最後の急坂を上り切る直前。そこから末脚を全開させると、先に抜け出していたダービーフィズをゴール寸前で差し切って、やり返した。

 「まだ緩いけど、使うたびに競馬を覚えてくれる。きょうも苦しいところから、よく頑張ってくれました」と北村宏はホッと息をついた。09年フラワーC(ヴィーヴァヴォドカ)以来、約4年半ぶりの重賞勝ちとなった勢司師も「間に合わないかと思ったけど、うまく外へ出して伸びてくれた」と目を細めた。

 2連勝で菊花賞の権利獲りに成功。「まだ将来のある馬なので、無理はしたくない」とトレーナーは菊参戦を即決はしなかったが、「夏の間に力をつけてきたように、あの子が自ら道を切り開いた」と前向きに話した。デビューから7戦して〈3・2・1・1〉と、底を見せていないシンボリクリスエス産駒。皐月賞馬、ダービー馬不在で混戦が予想されるクラシックラスト1冠の“台風の目”となるか。

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