【札幌記念】ヘイロー独走Vで夏王確定

 「札幌記念・G2」(18日、函館)

 武豊騎乗の2番人気トウケイヘイローが重馬場をものともせず、2着アスカクリチャンに6馬身差をつけて圧勝した。重賞3連勝の快進撃で、サマー2000シリーズのポイントを22に伸ばし優勝を事実上決めた。武豊は札幌記念8勝目、今年重賞9勝は単独トップ。現在首位のサマージョッキーズシリーズのポイント加算にも成功した。

 それまでの雨風がウソのようにスカッと晴れ渡った表彰式の壇上に、武豊は立っていた。何もなかったかのように勝負服は真っさら。「函館で行われる札幌記念はなかなかないですからね。おやじ(武邦彦元調教師)の故郷ですし、うれしいです」。9、10Rを連勝して迎えたG2戦。今夏最大の上がり馬トウケイヘイローとともに逃走劇を演じ、人馬ともに鮮やかな3連勝で北の大地のファンを魅了した。

 天候は小雨、芝は重。函館の洋芝は水分をたっぷり含み、経験豊富な名手も「粘土状でヨーロッパの道悪のような感じだった」と目を丸くした。それでも迷いはない。パワータイプのヘイローは重戦車のように勢い良くダッシュ。好発を決め、1角までにジワッとハナに立つと、そのリードを最後まで譲らなかった。

 終わってみれば6馬身差の圧勝劇。G1馬5頭を引き連れた堂々の走りに、ユタカは「どれだけやれるかと思っていたけど、これだけのパフォーマンスを見せてくれた。もうこの馬の強さは本物。今後がさらに楽しみになった」。自身もサマージョッキーズシリーズの首位を快走。「ここまで来たら当然、意識します」とスマイルがはじけた。

 清水久師は「強い内容でした。使うごとに力をつけていますね」と成長力に感心しきり。この勝利により今年のサマー2000シリーズの優勝が事実上決定。「確定ですか?狙っていたタイトルですからね」と安堵(あんど)感をにじませた。

 今後は近日中に栗東へ戻り、状態を確認したうえで在厩か放牧かを見極める。陣営の思いにブレはない。指揮官は「当初の予定通り次戦は天皇賞・秋(10月27日・東京)へ。直行します」と高らかに盾獲りを宣言。この秋、一気に頂点を獲りにいく。

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