【安田記念】カナロア万全!マイルOK

 「G1・安田記念」(6月2日、東京)

 その勢いは、新たな戦いのステージに移っても止まらない。国内外のスプリントG1で3勝を挙げるロードカナロアが29日、栗東CWで併せ馬を行い、力強い動きで先着。好調をアピールした。陣営は距離克服に手応え十分。重賞4連勝中のスプリント王がマイルG1も射止め、2階級制覇を決める。

 距離の壁を越えてみせる。ロードカナロアが豪快リハで最強スプリンターの脚力を見せつけた。

 雨の影響を受けて力を要する栗東CW。僚馬カレンシュガーレイ(4歳500万下)を相手に約5馬身追走してスタートし、大外から並びかけたのが残り1Fだ。鞍上の仕掛けに鋭く反応すると、並ぶ間もなくスッと前へ。1馬身先着で、6F78秒3‐36秒1‐11秒6の好タイムをマーク。筋肉の塊を思わせる迫力ボディーを弾ませて“最高の出来”をアピールした。

 岩田は高松宮記念以来のコンタクト。「堂々としている。乗っていてどっしりとしているな、と。気持ちがオンになって反応が良かった。状態をキープしているなと思った」。背中越しから伝わる好感触に笑みを浮かべ、悪い馬場状態にも「ケロッとしていた」と満足げに話した。

 国内ではスプリンターズS、高松宮記念のGI秋春制覇を、香港では世界の強豪相手に香港スプリントを制すなど、スプリント界では国内外に敵なしの存在だ。もう、1200メートルという限られた枠だけに収まっている馬ではない。そう判断した陣営は矛先をマイルG1の勲章に向けた。「久々のマイルだけど、(前々走に完勝を決めた1400メートルの)阪急杯でああいう競馬ができているし、1F延びるだけ。ゴールから逆算するレースをすれば問題ない」。11年1月以来となる約2年5カ月ぶりのマイル戦にも主戦は手応えをつかむ。

 強固な信頼関係は揺るがない。岩田はコンビを組んで目下4連勝中。ロードカナロアは2度のレコード勝ちに稍重のVなどを含みデビューから〈10・4・1・0〉と、コース、条件を問わず、パーフェクトな成績を残してきた。「どこからでも脚が使える。展開や枠など関係なく、自分で組み立てられる馬。不安は一切ない」と自信をみなぎらせた。

 スプリントとマイルのG1制覇なら、デュランダル以来6頭目の快挙となる。「相手うんぬんよりも自分のレースをすれば結果はついてくる。“世界のカナロア”の走りを見せたい」。王者は速く、そして強い‐。世界レベルの実力とその性能をマイル戦でも見せつける。

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