【シンザン記念】ザラストロ英の名手で

 「シンザン記念・G3」(1月6日、京都)

 今夏の新潟2歳王者ザラストロが逆襲態勢を固めつつある。29日は美浦Wを単走で追われ、素軽い脚さばきを披露。また武藤師は今回の鞍上に、年明けから短期免許での騎乗をスタートさせるウィリアム・ビュイック騎手(24)=デンマーク=を迎えることを明らかにした。英国を拠点に、欧州を代表する存在へと成長を遂げた若き名手が、本来の破壊力のある末脚を引き出してくれそうだ。

 英国の若き名手の手綱で、新潟2歳王者が復活するか。最近2走は2桁着順が続くザラストロだが、攻め気配は決して悪くない。美浦坂路を1本経由してからWへ登場。滑らかなコーナリングで迎えた直線、残り1Fから鞍上が軽く仕掛けて前進を促すと、素軽い脚さばきでゴールを貫いた。

 5F70秒2‐40秒9‐13秒2。馬場内で動きを見守った武藤師は「順調だね。実戦に行って力を出し切れずにいるが、状態に関してはずっと高いレベルで安定している」と満足そうにうなずく。そして、今回の鞍上にビュイックを迎えることを発表。「あとは年明けの3日にサラッと追えばOK。違った一面を引き出してくれないかな」と変わり身に期待を寄せた。

 ビュイックは英国を拠点に今年G1で8勝を挙げて獲得賞金も1位と、欧州を代表する存在へ飛躍を遂げた。11月のワールドスーパージョッキーズシリーズで初来日。シリーズ以外でも多数の騎乗依頼が舞い込み、Vこそ飾れなかったが5~10番人気で2着が3回とさすがの手腕を発揮した。

 12着に敗れた前走の朝日杯FSは3角でつまずき、コーナーを逆手前で回ってしまう誤算が生じたもの。あれがこの馬の実力ではない。「コーナーが2つで、京都の外回り。距離もベストだし、条件的には前回よりも格段に良くなる」とトレーナー。来春はNHKマイルC(5月5日・東京)を最大目標に見据える予定の期待馬に「折り合えれば、しまいは確実なので」と逆襲を宣言した。

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