【有馬記念】1年分の思い、笑顔の内田

 「有馬記念・G1」(23日、中山)

 G1馬7頭が集結したグランプリを制したのは、古馬と初対決ながら1番人気に推された2冠馬ゴールドシップ。

 1年分の思いが詰まった有馬記念のゴールだった。ゴールドシップの背中で左手を高く突き上げた内田博は頂点を表す“1”を表現した。「ホッとしました。今年の漢字通り“金”ですね。勝負服も赤と白。芦毛だし、ホワイトクリスマスみたいな感じで。全部そろっちゃったかな」と冗談交じりに笑顔を見せた。

 2冠馬の力を誇示したレースだった。「スタートは僕が乗ったなかで一番良くなかった。4コーナーで意外と外を回らされたという気持ちはあったけど手応えがあった。馬が強かった。馬に頭が下がります」と古馬を撃破した相棒をたたえた。

 11年5月11日に大井競馬場で落馬し、頸椎歯突起骨折の診断を受けた。復帰したのは今年の1月28日。約8カ月間の長期休養を挟んだが、苦難を乗り越えた先には夢を運ぶ船が待っていた。「去年の有馬記念はテレビで見ていたけど、次の年に自分が勝つなんて思っていなかった。何とも言えない気持ち。G1を3つも勝たせてもらって、自分でも怖いぐらい」。目先の目標は天皇賞・春(4月28日・京都)だ。「夢を乗せた金の船。来年がすごく楽しみ」。人馬の快進撃はまだまだ続く。

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