【有馬記念】代打の皇成見せ場作った

 「有馬記念・G1」(23日、中山)

 決戦当日の朝に急きょ指名されたピンチヒッターという大役にも、冷静な手綱さばきで見せ場を作った。三浦を背に中団のインで呼吸を合わせて迎えた最後の直線、エイシンフラッシュは残り1Fでスパッと先頭へ躍り出る。結果的には上位3頭の末脚に屈しての4着だったが、G1・2勝馬の底力はアピールした。

 「イメージ通りに乗れました。直線で先頭に立って、一瞬やったかと思ったんですが。3、4コーナーで内側が荒れていて、そこを通った分、上位馬とは差があったのかも」と三浦は悔しがる。それでも「コントロールが利いたし、いいときに乗せてもらいました」と鞍上に自分を選択してくれた陣営に感謝をした。

 天皇賞・秋で、鮮やか過ぎるほどの立ち回りを見せたM・デムーロからの乗り代わり。この日の午前9時前、中山競馬場のターフビジョンに騎手変更が告知された際にはファンから非常に大きなどよめきが起こったが、23歳の若武者は精いっぱいの騎乗で奮闘した。

 今秋は天皇賞の前後のレースでともに9着と崩れたように、いろいろな部分で繊細で非常に乗り難しいタイプ。藤原英師は「この馬の癖を知るデムーロならどういう結果になったのか、という気持ちはある」としながらも、鞍上のプレーには合格点を与えた。「指示通りにうまいこと乗ってくれた。代打でね。テン乗りとしては100点に近い」。昨年(2着)を上回る結果は残せなかったが、能力の高さを証明できたことに満足げな表情を見せた。

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