【ラジオN杯】実績十分ラウンド好調

 「ラジオNIKKEI杯・G3」(22日、阪神)

 来年のクラシックを占う大事な一戦。好メンバーが集うが、ラウンドワールドが好ムードを漂わせる。2着に敗れた札幌2歳Sでは朝日杯FSの1、2着馬、ロゴタイプやコディーノと好勝負を展開した。中間の動きも申し分なく、久々でも力が発揮できる態勢が整っている。昨年2着のゴールドシップは2冠馬に輝いた。出世レースで春へ向けて大きく前進する。

 無敗の2頭に注目が集まるが、この馬の存在も忘れてはならない。札幌2歳Sの2着馬で、メンバーNo.1の実績を誇るラウンドワールドだ。ここまで4戦2勝の戦績ながらも、全戦で上がり3Fは最速の数字を計時している。2度の敗戦は単に展開のアヤで力負けではない。クラシック級の末脚で重賞獲りを狙う。

 異父兄は06年神戸新聞杯Vを含め、牡馬3冠で(2)(3)(2)着と活躍したドリームパスポート。筋の通った血統背景は魅力だ。3カ月半ぶりの実戦を前に、小園調教厩務員は「馬体に大きな変化はないけど、無駄肉がつかないタイプ。もともと余計なことをしない賢い馬で、競馬では常にいい脚を使ってくれますからね」と仕上がりの良さとともに完成度の高さを強調する。

 調整も順調そのもの。11月14日に帰厩後初時計を記録すると、長めを丹念に乗り込まれてきた。札幌に遠征していた今夏は「ダートでは動かなくて。もたれて、手前を変えなかった」と苦労を口にしたが、ウッドチップで乗り込める栗東に戻ったことで「しっかり走れているし、だいぶ違いますね」と手綱越しに伝わる感触に手応えを抱く。

 数々のスターホースを送り出している出世レース。復帰戦に向けて「広いコースに変わるのはいい。どんな競馬をしてくれるか、楽しみですよ」と前向き。ディープ産駒が自慢の末脚をさく裂させて、クラシックへの扉を開く。

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