【凱旋門賞】オルフェ世界一へ合格リハ

 「凱旋門賞・仏G1」(7日、ロンシャン)

 世界一へ向けて、合格リハだ。日本の現役最強馬オルフェーヴル(牡4歳、栗東・池江)は3日、クリストフ・スミヨン騎手(31)=ベルギー=を背に、エーグル調教場の芝コースで最終追い切りを行った。3頭併せを余裕たっぷりの手応えであっさりと最先着するなど、仕上がりは前哨戦のフォワ賞を制したときよりも間違いなく上。仕上がりに不安はない。

 世界を制する準備は整った。オルフェーヴルはエーグル調教場の直線芝コースでの3頭併せ。先週に引き続きスミヨンが手綱を取り、全長2000メートル、幅約60メートルの広大な馬場の中央で6Fの追い切りを行った。

 前2頭を見る形でじっくりと追走。残り300メートル手前でスッと2頭の手前に進路を取ると、ここから桁違いの動きを見せる。鞍上の手綱は微動だにしなかったが、自らハミを取り、全身を沈めてギアチェンジ。全くの馬なりで、あっという間に5馬身の差をつけた。

 陣営も納得の動きだ。鞍上は「精力的になって、いい状態になっている」と好感触。池江師も「雨の影響もあってのめっていたが、本番までにこういう馬場を経験したことで修正してくれると思う。100%とはいかないが、満足している。ベストに近づいている」と手応えを口にした。

 中間はフォワ賞出走時をはるかに上回る負荷をかけた。あくまでも前走は前哨戦の仕上げ。自身初の中2週の競馬で“本番仕様”にするため、普段の調教から攻めの姿勢を貫いた。「(追い日以外に利用する)坂路はダート。ダートでの調教にナーバスなところがあって、1F18秒くらいの調教をしていた。生ぬるい調教になって、少しフォワ賞がだらしなかったので」と理由を説明する。

 今年初戦の阪神大賞典の逸走で、栗東ダートでの調教再審査を課せられた。走り慣れないコースでの調教。その結果、脚さばきに硬さが見られて天皇賞・春は11着に惨敗した。だが、今回はその負のイメージを払拭(ふっしょく)。「間違いなく前走より上」と出来に太鼓判を押す。

 父の無念を晴らす戦いでもある。06年に池江泰郎元調教師が管理するディープインパクトが3位入線も、その後に禁止薬物問題が発覚した。最強馬と信じて疑わなかったディープの敗北と失格処分。現地入りしていたトレーナーは、改めて競馬の怖さを実感した。「忘れもしない。“父のかたき”などというと大げさかもしれないが、そうなったらいいと思う」と力を込める。

 あれから6年。「こんなに早く凱旋門賞に出られる馬と巡り合えると思っていなかった。この馬は普通の馬の常識が通用しない部分がある」。規格外の素質を秘める現役最強の5冠馬と挑む最高峰の舞台。あとは世界のホースマンたちに、その力を見せつけるだけだ。

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