【新潟記念】トランス、絶好調

 「新潟記念・G3」(9月2日、新潟)

 サマー2000シリーズ覇者を目指す東西の有力馬が絶好の動きを見せた。追い切りが29日、東西トレセンで行われ、函館記念を制したトランスワープは美浦Wで楽々と好時計をマーク。重賞連勝へ態勢は整っている。栗東ではトーセンラーが芝で軽快な走り。エクスペディションは坂路でハードなメニューをこなし、重賞初Vの勢いを感じさせた。

 7歳馬とは思えない迫力が充実ぶりを示す。函館記念で重賞初Vを飾ったトランスワープは、大野を背に美浦Wを単走。もたれ癖を見せたが、余裕たっぷりの手応えで5F64秒9‐36秒8‐12秒4。たたきつけるようなフットワークで、楽々と好時計を刻んでみせた。

 先週に続き感触を確かめた鞍上は力強くうなずく。「もたれるのはいつものこと。暑さもあるから、負荷はこれくらいでいい。それでも時計は出た。体重も絞れている。間に合ったんじゃないですか」。多少立派に見える馬体を最後にひと絞り。見守った萩原師も「予定より少し速くなりましたが、数字は特に気にしていない。ここ一連と変わりない感じです」と好調キープを約束した。

 重賞連勝、そしてサマー2000シリーズ制覇がかかる重要な一戦。ポイントは高速馬場の攻略だ。530キロ近い馬体が示すようにパワーが勝っているタイプ。洋芝の函館記念とは異なり、今の新潟はスピードが求められる。「確かに速い時計に対応できるかは未知数ですね」と大野は前置きしながらも「でも、前走はいい脚を使っている。それを再現できれば」と本格化したパートナーの末脚に信頼を寄せた。

 ここ2走はスタートで後手を踏んでいることもあって、追い切り後にはゲート練習を実施。「レースに向けて、もうワンスイッチ入れたいので、気持ちを高める意味で、木曜朝に競馬場へ出発します」とトレーナーは秘策を明かした。あらゆる面で抜かりのない仕上げを施して、夏の中距離王の座を奪いにいく。

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