「起きたら白湯を飲む前にやってほしいことがある」元アスリート・鈴木啓太さんがたどり着いた腸活の答え→腸内環境が乱れるとメンタルも不調に
「しっかり寝ているはずなのに疲れが取れない」「なんとなく不調が続く」。そんな悩みを抱える人は少なくありません。実はその原因“腸内環境の乱れ”にあるかもしれません-。
今回お話を聞いたのは、元プロサッカー選手で現在腸内環境の研究に携わる実業家・鈴木啓太さん。トップアスリートとして自身の体と向き合ってきた経験から見えてきた、「腸を整えることが人生を変える理由」や忙しい女性でも無理なく続けられる腸活のヒントを教えてもらった。
-腸内環境が乱れるとどのような不調が表れやすいのでしょうか
腸内環境が乱れると、便秘や下痢といった消化の不調だけでなく、免疫力の低下、アレルギー症状、メンタルの不調など全身に影響が及びます。最近では、認知症を含むさまざまな病気との関係も研究で明らかになっています。
-腸内環境に「個人差」が生まれる理由を教えてください
腸内環境は生まれつきではなく、食生活や運動習慣、生活環境(住まい、人との関わり、ペットの有無)、趣味や行動範囲など、日々の暮らしの積み重ねによって作られます。同じ食事をしていても、人によって体調の感じ方が違うのはそのためなんです。
-腸活の効果はどのくらいで実感できるものですか
早い人では1週間くらいほどで便の変化を感じることもあります。体調やメンタル面など全体的な変化は、およそ3か月前後で何かしらの実感を持つ人が多いそうです。
-現代人が腸に負担をかけている習慣は何なのですか
特に大きいのは、「高脂肪、低食物繊維になりがちな食事」、「加工食品や人工甘味料、添加物の増加」、「ストレス、睡眠不足、運動不足」といった現代的なライフスタイルです。腸はとても正直なので、生活習慣の乱れがすぐに反映されてしまいます。
-“腸活に良い”とされている食材でも人によって合う・合わないがあるのでしょうか
あります。たとえば、ヨーグルトは多くの人にオススメですが乳糖不耐症の人が摂ると、かえって下痢を引き起こすことがあります。大切なのは「体にいい」ではなく「自分に合っているか」という視点です。
-忙しい女性におすすめの“朝の腸活ルーティーン”について教えてください
まずは、起きたらすぐに歯磨きをすることです。白湯を飲む前に、口内の菌をきちんと除去し、口腔内の菌を腸に運ばないことが重要です。そして、朝は多種類の食物繊維を意識すること。菌は好みが違うため、量より「種類」が大切です。毎朝同じタイミングでトイレに行く習慣をつけることも効果的です。
-実はやりがちな「間違った腸活」はありますか
「朝起きてすぐに白湯を飲む(歯磨き前)」、「食物繊維を“量”だけ意識する」、「42度以上の熱いお風呂に入る」です。特に入浴は、39度で約12分が腸内細菌にも自律神経にもおすすめです。
-ストレスは腸にどのような影響をもたらしますか
長期間のストレスは自律神経を乱し、腸のバリア機能を低下させます。腸の動きが鈍くなり、便秘や下痢、腸内細菌のバランスの悪化につながります。
-多くの人が“腸活が続かない原因”はどこにあると思いますか
「何か新しいことを始めなければ」と考えてしまうからでしょうか。実は、今の生活の“タイミングを少し変える”だけでも腸は応えてくれます。
-腸活を習慣化させたい女性に、まず最初の一歩として「これだけはやってほしい」ということがあれば聞いてみたいです。
まずは「毎日の便を観察すること」。便は“お便り”です。自分の体からのサインに目を向けることが腸活の第一歩です。
ハードなトレーニングを続けてきた元アスリートが行き着いた答えは、意外にも「特別なことをしない腸活」だった。無理に頑張らなくても、生活の中の小さな選択が体調やメンタルを少しずつ変えていく。
「最近何となく不調かも」と感じているなら、今日からまずは“自分の腸に目を向けること”から始めてみてはいかがだろうか。
(デイリースポーツ特約・鈴木風香)
