セックスレスは“自分勝手な離婚理由”? レス歴10年主婦の静かな覚悟

 ここ数年、夫婦のセックスレスが社会的な課題として注目されるようになってきた。SNSでも「セックスレス問題」に関する声が目立ち、夫婦のセックスレスをテーマとしたテレビドラマが話題を呼んだことも記憶に新しい。

 実際、令和5年の司法統計によると、離婚調停において「性的不調和(セックスレスなど)」を理由に挙げた人は、妻からで約6.3%、夫からでは10%を超えている。一方で、「そんなことで?」「我慢が足りない」といった偏見もまだまだ根強い。

 今回は、レス離婚を目指して自身の経験や思いをSNSやYouTubeで発信している『5年後に離婚する主婦まめ』さんに話を聞いた。

 まめさんは2人目の出産後、セックスレスになり今年で10年目だそう。当初は夫婦生活の改善をしようと話し合いを試みたが「お母さんという感じがして女性として見られない」と夫から告げられ、まめさんの心は打ち砕かれた。

 夫への感謝や尊敬はあるが我慢の上で成り立つ夫婦関係に疑問を持ち、離婚準備として金銭的自立を目指しパートタイムから正社員へと転職した。「転職後すぐ、夫にも将来的に離婚を考えていることを伝えました。夫からは『いつか言われると思っていた』と察していた様子でした」

 けれど実際には、離婚のハードルは想像以上に高かったという。フルタイム勤務になったことで朝は家事や自分の身支度だけでなく、家族の晩ご飯も用意してから家を出ると言う。営業ということもあり時には遠方にも出向くため、帰宅が遅くなるときには夫が子どもの面倒を見ているそうで「離婚を目指して転職したものの、実際に子育てをしながらハードワークをこなすのには夫の協力が不可欠でした」と、現実と目標との矛盾に葛藤していると言う。

 さらに、金銭面だけでなく子どもへの影響など、「今すぐ離婚」には踏み切れない複雑さもあり5年後を目標としている。

 夫婦関係のなかで“性”をめぐるすれ違いは、心の孤独や自己肯定感の低下にもつながる深刻なテーマだ。「自分勝手って思われるかもしれない。でも、一度きりの人生だからこそ、自分が納得できる未来を選びたい」と、まめさんは語る。

 離婚に向けて、自分と向き合いながら少しずつ準備を進める日々。セックスレスが理由の離婚は“自分勝手”ではない。むしろ、自分の人生を取り戻すための選択なのかもしれない。

(デイリースポーツ特約・はせがわ みずき)

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