【山田美保子のミホコは見ていた!】ちばてつや先生の想い出

 22日午後6時、都内の病院で亡くなった漫画家のちばてつや先生が今年8月末まで「ビッグコミック」でエッセイ漫画「ひねもすのたり日記」の連載を続けていらしたと聴き、心から納得している。

 ちば先生の訃報は、各分野の表現者や思考者らから成るボランティア集団「エンジン01文化戦略会議」のグループLINEで知った。作家の林真理子氏の「本当にショックです」に続き、湯川れい子氏、茂木健一郎氏、和田秀樹氏らが、常に笑顔を絶やさず、温かくて優しい先生のお人柄に触れながら「お悔やみ申し上げます」と記した。

 なかでも和田氏がシェアした記事に注目が集まった。『「あしたのジョー」作者・86歳ちばてつや、いまだ現役の秘訣』というタイトルで、初出は2025年5月1日の「GOETHE」WEB。前年、漫画家で初の文化勲章を受章し、86歳の当時も連載を続けるレジェンドに、高齢者医療の専門家、和田氏が長生きの真意に迫った対談連載の初回だ。

 驚くのは、「運動は得意じゃないけど仕事をするなら運動しなくちゃダメだと思って」近所のコートまで自転車を漕いで行き、夫人とテニスをしているというエピソード。朝食前に「できるだけ毎日」運動しているという。和田氏は、「ちば先生は、だから姿勢がいいんですね」と分析していた。

 実は「エンジン~」の末席にいる私も、80代になられても背筋が真っ直ぐ伸び、長時間、立ち続けていても「疲れた」とか「ちょっと座りたい」などと口にしない先生を目の当たりにしてきた。

 「東日本大震災」の復興支援を目的に毎年行っている「全音楽界による音楽会」(サントリーホール)で、義援金や寄付金を集めるため、バケツを持って入口に立つ人呼んで「バケツ隊」を何年も御一緒していたときだ。

 先生の姿を見つけ、長蛇の列を作り、「先生の漫画で育ちました」「握手、いいですか」「写真も、いいですか」などと話しかける観客の皆さん全員に笑顔で応じていらした。

 また、2012年3月の「オープンカレッジin鳥取」で、有森裕子氏の企画で鳥取砂丘駅伝を開催した際、ちば先生が全力疾走でゴールされたことに驚いたとグループLINEに綴る会員もいた。「まるで先生がお描きになるスポーツマンガの主人公が降臨されたようで」とは茂木氏の弁だ。

 日本漫画家協会の会長として、後進の皆さんを気遣い続けたことでも知られる先生は、他ジャンルの我々にも同様に接してくださり、そして本当に元気でいらした。ちば先生、どうかゆっくりお休みください。合掌。

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