山田洋次監督 94歳48年ぶり受賞「僕自身が若返ったような気が」 ブルーリボン賞監督賞 新技術挑戦「好奇心って必要」

 東京映画記者会(デイリースポーツなどスポーツ紙在京7社で構成)が制定する「第68回ブルーリボン賞」の各賞が27日までに決定した。監督賞は「TOKYOタクシー」の山田洋次監督(94)で、1977年度の「幸福の黄色いハンカチ」以来、48年ぶり3回目の受賞となった。主演男優賞は「宝島」の妻夫木聡(45)が、2010年度の「悪人」に続いて2回目。主演女優賞は、広瀬すず(27)が初受賞で、「片思い世界」「遠い山なみの光」「ゆきてかへらぬ」の3作品が対象となった。授賞式は2月17日に都内で開催される。

 48年の時を経て、3回目の監督賞受賞。山田氏は「忘れてしまうぐらい昔だからね」と穏やかに笑いつつ、一報を受けた際の思いを「まだ、ちゃんと僕を評価してくれてるんだなって。僕自身が若返ったような気がしてます。本当にうれしいですね」と明かした。

 あまたの映画賞を受賞してきた中でも、ブルーリボン賞は特別な存在だという。初受賞は1966年で、対象作品は3月公開の「運が良けりゃ」と11月公開の「なつかしい風来坊」の喜劇2本。ともにコメディアンのハナ肇さんと、今作でも主演した俳優・倍賞千恵子(84)が出演していた。

 当時は喜劇の評価が低かったとし、「ハナ肇が主張してたんだけど、『喜劇はシリアスなものを作るよりも難しい。感性と力量が必要なんだ。なんでそれを分かってくれないんだ』って」と述懐。だからこそ、監督賞受賞には「喜劇を評価してくれたってことは、なんて素敵なんだろうという喜びはありましたね」と振り返った。

 今作は喜劇ではなく、年老いた女性の人間模様をリアルに描いた作品。木村拓哉が演じるタクシードライバーが、東京から葉山まで倍賞演じる老女を送る間に、互いに心を通わせ、老女の壮絶な告白が展開されるというストーリーだ。老若男女の高い支持を得て、興収は16・5億に達した。

 大きな注目を集めたのが、ドライブシーンの撮影に使用された新技術・LEDウォール。90歳を超えた大御所が、91作目にしてさらに挑戦していく姿勢も評価された。山田氏は「もともと映画って、科学技術の発展とともに発展してきたという歴史がありますよね。だから新しいメカニズム発明された時に、興味を持ってなきゃいけない。好奇心って映画監督にとっては非常に必要なもので、子供が機関車を面白がるように、僕たちは撮影機材を面白がってなきゃ」と持論を展開した。

 邦画界を牽引してきた山田氏ならではの提言も。「重苦しい映画だけが作られているっていうか、映画館に行って、思いっきり笑って、『あ~、面白かった』って帰って来られる映画が、どうしてなくなってしまったのかな…。現場の僕たちを含めて、映画会社、プロダクション全体が真剣に考えなきゃいけないことじゃないんでしょうかね」と訴えた。

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス