【ヤマヒロのぴかッと金曜日】自民×維新、水面下で何が!?勝手に推測「結果はすでに決まっていた」
次の首相は誰なのか…。自民党総裁選から明日で2週間。与野党入り乱れての大混乱となっていたが「自民 維新と連立」がいよいよ現実味を帯びてきた。
いや、実は公明党が離脱した時点で結果は決まっていたのではないか?原稿を書いてる時点ではまだ何も明らかになっていないが、そう思う理由を書いてみる。
公明党の連立離脱については、先週のコラムで『ゲタの雪』などと言い古された比喩を持ち出してしまい、同党には申し訳なかった。ブラフでも何でもなくあっけなく政権から離れていったので、高市政権(黒幕・麻生)の下で、これまでのように理念や政策は違えど手を携えて、とはならなかったんだろうなあ。自ら権力を手放すのはよっぽどのことだ。
この「公明ショック」により、与野党で数合わせが始まったのだが、動きの慌ただしい野党に比べ、肝心の自民党の動きが、少なくとも表面的には驚くほど静かであり、14日の臨時両院議員懇談会でも特に荒れることなく高市総裁の表情にも余裕がうかがえた。この間、公明党を引き留める動きもほとんどなかったと聞く。とても不思議な話だ。本来ならあらゆるチャンネルを駆使して何がなんでも引き留めようとするはずだ。
これはあくまでも推察に過ぎないが、自民党新執行部は、公明離脱後そんなに時間を経ずして『維新』との連係にメドをつけていたのではないか。まだ党首や幹事長レベルで話がまとまってないはずの今週火曜日に梶山・遠藤両国対委員長が協議したあたりで、かなり細かいすり合わせの段階に来ているとの確信を持った。
二つ目の理由。
主要野党にとって「公明ショック」は政権奪取を現実のものとするチャンスであったのは間違いない。
だが、いくらなんでも降って沸いたような話に飛びつけるわけがない。立憲・国民・維新が首班指名で同じ名前を書くことはない。1993年の非自民連立政権が引き合いに出されているが、状況がまったく違う。あの時は『政治改革』という明確な統一目標があった。その前年の参院選で日本新党が躍進したことで大きな流れができ、新党ブームに乗って新党さきがけ、さらには自民党を割って出た新生党などが中心となって8党合意の枠組みを作って政権を奪った。
この時、大きな絵を描いたのが小沢一郎である。政策も理念も異なる寄り合い所帯ではあったが、改革という一本のベクトルだけで結集できたのだ。良しあしはともかく合意に至るまでに、関係者は水面下で相当汗をかいた。細川政権は8カ月でついえたが、55年体制を崩壊させたことの意味は大きい。昨年の衆院選の時にも名前を挙げたが、小沢のような根回しのできる政治家が今の野党幹部にいるだろうか。たまたま状況が変わったから協議してみたでは、何も生まれるはずがないのだ。従って、自民中心の多党政治はしばらく続くことになる。
気に入らんやつはバッサリ見切って新しい相手を抱き込めばいいという手荒い手法は自民党らしい。これまで選挙でアテにしてきた公明党がいなくても今度は維新を丸め込んで首班指名を受け、出戻りや一本釣りで三人増やせば過半数まで確保できる算段だろうが、頭を抱える地方議員も少なくはない。(敬称略)(元関西テレビアナウンサー)
◆山本 浩之(やまもと・ひろゆき)1962年3月16日生まれ。大阪府出身。龍谷大学法学部卒業後、関西テレビにアナウンサーとして入社。スポーツ、情報、報道番組など幅広く活躍するが、2013年に退社。その後はフリーとなり、24年4月からMBSラジオで「ヤマヒロのぴかッとモーニング」(月~金曜日・8~10時)などを担当する。趣味は家庭菜園、ギターなど。
