中島歩 ギャップ俳優の本性 朝ドラ好青年役から一転→フジ系ドラマ「愛の、がっこう。」で二股クズ男怪演
俳優の中島歩(36)がギャップで魅せている。木村文乃主演のフジテレビ系ドラマ「愛の、がっこう。」(木曜、後10・00)で、クズな二股男を熱演中。中島と言えば、NHK連続テレビ小説「あんぱん」でヒロインの夫・次郎を好演。世間に好青年のイメージを植え付けたが、今作はクズ男役としてネットをざわつかせた。話題を集める注目株に話を聞くと、写真で見せるクールでダンディーな表情とはひと味違う、ひょうきんな個性がさく裂。中島ワールド全開で作品の魅力や役者業を語る。
驚きのギャップで人々をひきつけている。今作で演じるのは、大手銀行に勤務するハイスペック男子。父同士の紹介で出会ったヒロインの婚約者だが、実は二股中のクズ男で…という役どころ。中島は「『あんぱん』で知ってくださった方は、ガッカリしちゃうかも。全然良い人じゃないじゃんみたいな」と語りつつ、役の振り幅を世間に提示する絶好の機会に「それは良い捉え方ですね!そう思えば全然怖くない。ぐっすり寝られます」とはにかんだ。
第2話まで放送されたが、ネット上は「中島歩のクズっぷり最高」「あんぱんの時との差がヤバくて耳きーんなる」「同じ中島歩さんでもあんぱんの役とは違うね…このギャップさすが俳優さんだね」と絶賛の嵐。中島は役の印象を「いけない人だなって思って」と分析し、監督と交わしたという役のイメージについて「ただのサイコパスに見えたら失敗です。監督から滑稽に魅せたいというオーダーがあったので、僕自身も笑ってもらえるように工夫している」と明かした。
朝ドラの好青年役で株を上げた。立て続けに作品が舞い込んだことに「ありがたいなと思っている。ずっとテレビに出ているみたいになります。全然テレビにご縁がなかったので」と感謝する。24歳で本格的な俳優デビューと遅咲きであるが、ブレイク必至の俳優として世間から注目を浴びて「最近は大きい役をもらえたりして、本当にうれしい。大きい役はお芝居できる時間も長い。お芝居しているのが好きだから、その時間が長くなったことがうれしいですね」と役者冥利を語る。
幼い頃から「人前に立ちたい願望」があった。小学校の卒業文集には「趣味は人を笑わせること」と記されている。今作の制作発表でも共演者や報道陣を笑わせる姿もあり、「そこ(小学生の頃)から変わっていないですね」と笑う。日常生活でもギャップで驚かせることが多々あり、「小学生の時から『黙っていたらかっこいいのに』と言われていた。黙っているヤツがかっこいいというのも分かるけど、それよりも笑わせたいという願望が勝っちゃって」と押さえられない欲を明かす。
人を笑わせる職業として芸人という選択肢もあるが、お笑い賞レースを見て芸人には勝てないと痛感。有名になりたかった中島は「俳優なら、若いうちからちやほやされるんじゃないかと。貧乏になろうが、安定しない進路にしてみようと大学の時に思った。就職サイトを見て、何も(興味が)引っかからなかった」と駆けだしの頃を振り返り、演技の道に進んだ選択は「正しかった」とうなずく。苦しみながらも開拓し、ようやく浴びたスポットライト。愚直に「楽しそうだなと僕が思う人たちと一緒にやれる俳優でいたい」と夢を語る。これからも作品作りの楽しさを追求し、人を笑顔にする天職を全うする。
◇中島歩(なかじま・あゆむ)1988年10月7日生まれ。宮城県出身。日本大学藝術学部卒業。モデルとして活動を始め、13年4月に舞台「黒蜥蜴」で俳優デビューした。14年上半期のNHK連続テレビ小説「花子とアン」に出演し、知名度が上昇した。今年は「あんぱん」の若松次郎役で話題となった。趣味は運転、瞑想。身長184センチ。
