林裕太 転機は映画初出演時に監督から受けた神説教 ドラマ「-神説教」で好演!注目の若手俳優の素顔
日本テレビ系ドラマ「なんで私が神説教」(土曜、後9・00)で、主演の広瀬アリス(30)演じる教師による文字通り“神説教”が爽快感を与えている。直球な物言いで、コンプライアンスや人間関係が慎重に扱われる令和の時代に一石を投じる学校ドラマで、24日放送の第7話でも一人の生徒をピシャリ。お調子者の西畑塁が引きずる過去に「忘れなさい!」と言い放った。西畑を演じたのは俳優・林裕太(24)。2019年のデビューから着実なステップアップを続ける若手注目株の素顔に迫った。
鋭いまなざしの奥に、どこか幼さが残る顔立ち。その見た目に反して低く澄んだ声の持ち主で、今作で演じた明るくお調子者な西畑とは対照的に、語り口からは年齢以上の落ち着きがにじむ。
1100人以上が応募したオーディションを勝ち抜き、31人いるクラスメートの一人に選ばれた。だが林はその規模を知らず「そんないたんですか?」と驚き。その“抜け感”は、役と共通のようだ。
若手らしく、これまでは学生役が多かったといい「自分の見た目を若く捉えてくれてるのがうれしい」と笑う。そんな自身の学生時代を聞くと、中学と高校で過ごし方が「全然違った」という。
中学では陸上部に所属し、生徒会長も務めるなど活発に活動。勉強にも励み「いろんなことをマルチにやってた」というが、高校では一転。「中高一貫校に高入生として入ったので、すでに友達の輪ができてて。無理に友達をつくる必要もないかなってなったらすごく閉ざしちゃったというか(笑)」。人との距離が広がった時期もあった。
それでも俳優への憧れは胸にあり続けた。きっかけは小学校6年時の学芸会。「終わった後に先生とか親御さんに褒められたのがうれしかったから、役者になりたいなと思い始めた」。だが、あと一歩が踏み出せず、しばらくは夢のままだった。変化が訪れたのは、進路選択のタイミング。付属高校から、明治大学への進学が見えた際に自らある決断をした。
「文学部文学科演劇学専攻って学科があって。そこに行っちゃえば、役者になるしかないんじゃないかと思って」
結果、その学科で今の事務所で同僚でもある櫻井健人と出会ったことを機に、本格的に俳優としての道を歩み始めた。
19年のデビューから21年には「草の響き」で映画初出演を果たすなど、着実なステップアップを続ける中、同作の斎藤久志監督からの“神説教”が転機となったという。
「最初に『芝居すんな!』って言われて。どうすれば良いんだってなったけど『役として生きる』ことが大切にされてて、役者ってすごい深くて難しい仕事だと思った」
学びしかない環境だからこそ、「本当にこのお仕事が好き」だと語る現在地。そんな林の憧れは、10月24日に公開を控える映画「愚か者の身分」でも共演した北村匠海。
「仕事を『楽しんでるから続けている』っておっしゃっていて。その姿勢もそうだし、相手の良い所を引き出そうとするお芝居をしてくれて、そういう余裕を持った俳優になりたいと思った」
今後、演じたい役柄を聞くと「体を動かすのが好きなので、脱走犯とか、ひたすら何かから逃げる役をやってみたい」とユニークに回答。2年ほど前から筋トレにも熱が入っているそうで「バッキバキです」と控えめながら肉体美もアピールして笑った。役として生きる楽しさが、その言葉からもにじみ出ていた。
◇林 裕太(はやし・ゆうた)2000年11月2日生まれ。東京都出身。明治大学文学部文学科演劇学専攻を卒業。19年に俳優活動を始め、20年にドラマ「17.3 about a sex」でデビュー。21年「草の響き」で映画初出演を果たし、22年「間借り屋の恋」で映画初主演。ドラマ「虎に翼」、「御上先生」など話題作にも出演。10月24日公開の映画「愚か者の身分」では主演の北村匠海の相棒役をオーディションで射止める。172センチ。趣味はランニング、登山。血液型B。
