中居正広氏サイド 沈黙破った!フジ第三者委に猛反論「『性暴力』実態確認されなかった」関連資料の開示要求
1月に芸能界を引退した元タレント・中居正広氏(51)の代理人弁護士が12日、中居氏と元フジテレビアナウンサーの女性とのトラブルに関して調査報告書を発表した第三者委員会に対し、関連資料の開示と問題の指摘および釈明を求める文書を送付したことを明らかにした。代理人は報告書における「性暴力」の認定について「一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為は確認されなかった」と指摘。さらに、中居氏は第三者委員会の調査に対して守秘義務解除を提案していたことなども主張するなど、報告書が示した事実関係に関しても真っ向から反論する形となった。
今年1月の電撃引退発表から4カ月、沈黙を保ってきた中居氏サイドが、猛反論を始めた。
代理人弁護士は、中居氏からの依頼によって、中居氏の人権救済のために第三者委員会に相対することを明言。3月31日に発表された同委員会の報告書における問題点を複数、列挙した。
報告書では、当時フジテレビのアナウンサーだった女性・Aさんが中居氏に受けたトラブルを「性暴力」と認定。この点について代理人は「性暴力」という表現に関し、WHO(世界保健機関)の極めて広義な定義を用いたと指摘。その上で「『性暴力』という日本語から一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為の実態は確認されなかった」と主張した。
また報告書では、Aさんが守秘義務解除に応じたのに対し、中居氏は応じなかったと明記した。これに対しても代理人は「両者の守秘義務解除要請に対する態度も事実認定の根拠にしています」とし、「中居氏は当初、守秘義務解除を提案していましたが、第三者委員会から“2人の密室で何が行われたかが直接の調査対象ではない”との回答があったという経緯がありました」と報告書の記載を否定した。
その上で、報告書に対して「中立性・公平性に欠け、一個人の名誉・社会的地位を著しく損ない、貴委員会設置の目的や委嘱事項から大きく逸脱したものとなっており、極めて大きな問題があると言わざるを得ない」と強く反論。さらに、3月に行われた同委員会によるヒアリングに関しても言及し、「守秘義務にとらわれず、約6時間にわたり誠実に第三者委員会のヒアリングに応じましたが、本調査報告書には当該発言要旨がほとんど反映されていません」と指摘した。
こうした点を踏まえ、代理人は同委員会に対し、日本弁護士連合会の「企業等不祥事における第三者委員会のガイドライン」に違反しているとも指摘。今月26日までに、調査報告書作成のために用いられた一切のヒアリング記録およびその他の証拠と、性暴力があったとの認定は、どのような証拠に基づいてされているのか、その証拠と、認定と証拠との対応関係がわかる資料を要求。「上記証拠の一部ないし全部の開示ができない場合は、その理由を明らかにして下さい」と求めた。
◆第三者委員会の報告に基づく経過
【2021年】
11月 フジテレビ幹部・B氏と中居氏らが外資系ホテルのスイートルームでの会合を企画。
12月 ホテルで会合。参加者は、女性A、中居氏、B氏ら。
【2022年】
8月 中居氏からの誘いでB氏、スタッフらが会食。中居氏が女性Aを呼ぶ提案をしたが、女性Aは断る。
【2023年】
5月 中居氏の自宅でバーベキューを行い、女性Aらが参加。女性AはB氏から「仕事でプラスになる」と言われる。
6月 中居氏が女性Aを食事に誘う。当初は複数の予定だったが、中居氏の自宅で2人のみとわかり、女性Aは「行きたくないけど行った」。
6月 女性Aが同月2日以降の不眠を訴える。心身の症状から女性Aが中居氏からの性暴力を受けたと認識。弁護士への相談を提案するが、精神的に混乱しており、判断が困難の状態だった。
6月 女性Aが都内病院の消化器内科に入院。疾病名は「うつ状態、食思不振」。
7月 B氏が中居氏から電話を受け「女性Aとトラブルに」と説明される。
7月 B氏が中居氏からの見舞金を女性Aに届けるが、女性Aは受け取らず。その後女性Aは自傷行為など病状悪化で退院予定を延期。精神科に転科。PTSDと診断される。
8月 女性Aが中居氏にメール「治療に専念したい。連絡差し控えたい」。
9月 女性Aが退院。
11月 中居氏が女性Aの代理人から事案に関する内容証明を受領。中居氏はB氏に弁護士の紹介を依頼。
【2024年】
1月 女性Aと中居氏の弁護士との間で示談が成立。
8月 女性Aがフジテレビを退職。
◆第三者委の報告書骨子
・中居正広氏と女性とのトラブルは中居氏による性暴力
・女性はフジテレビアナウンサー(当時)。性暴力は業務の延長線上で発生
・女性が性暴力を受けた当日の会合に、フジ社員関与は認められない
・港浩一社長(当時)らの対応は被害者救済の視点が乏しかった
・フジは有力取引先との関係構築に若い女性アナウンサーらを利用
・フジ幹部が中居氏の依頼で見舞金名目の現金を届け、弁護士を紹介したのは二次加害行為と評価し得る
・社長や会長を歴任した日枝久氏らの下で役員指名が透明性と公平性を欠いた
