三谷幸喜氏「僕が望む頼朝像を演じてくれた」 大泉洋を絶賛、鎌倉殿の13人「これからが本番」

 脚本家の三谷幸喜氏(60)が、このほど脚本を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜、後8・00)のリモート取材会に出席した。「新選組!」(2004年)、「真田丸」(16年)に続く3本目の大河。主役の北条義時、源頼朝をはじめ登場人物、出演者へ対する思い、これまでの回顧や今後の展開などを語った。

 26日放送の第25話では、ラストに頼朝が落馬。その死を予感させた。三谷氏「殺されたんじゃないかとか、いろいろな説がありますけど、長い間頼朝と寄り添った僕としては、彼なりの辛さ、孤独を感じているので、ちゃんと死なせてあげたかった。殺されると殺す人が主人公になってしまうので、頼朝のドラマとして完結して、静かに死なせてあげたかった」と意図を説明。権力の頂点に上り詰めるうちに、味方の坂東武者、身内を信じられなくなっていた姿を象徴させるものだった。

 また、落馬シーンの合間に義時、政子ら周囲の登場人物が挿入された場面は、高校生の時に感銘を受けた1979年の大河ドラマ「草燃える」のシーンを見た当時に思ったことを描いたという。「当時は脚本家になって大河を書くとは想像もしていなかったけど、僕だったらこう書くなというのはありました。倒れた瞬間、周りにいた他の人たちが何を思っていたのだろうか。演出の吉田(照幸)さんがくみ取ってくれて、40年前に見たかったシーンはこれだったのかと」と念願がかなった様子だった。

 頼朝役の大泉洋には「僕が望んでいる頼朝像を演じてくれた。『鎌倉殿-』が始まってからは、彼とはメールのやりとりはしても会ってはいないけど、作品を見ると彼以上にこの頼朝を演じ切ってくれる人はいない。他にきちんと演じてくれる俳優がいるのだろうかと思う」と手放しの絶賛。主人公の北条義時を演じる小栗旬についても、自身が監督・脚本を務めた15年の映画映画「ギャラクシー街道」に出演した時から高く評価しており、「俳優として持っている力を感じていたし、やって欲しいことを的確にやってくれていた。小栗さんと僕は共通語があると思う」としみじみ。「(この作品は)小栗さんの新しい代表作になるのでは。年齢を重ねた義時の方が良さが出てくると確信しています」と、今後への期待も口にした。

 源義経の最期は思い通りに描き切れた。これまでにない、明るい義経で終わったが、「菅田(将暉)さんが演じるのを前提で書きましたけど、義経が自ら命を絶つ瞬間は見たくなかった。そこはみなさんに想像してもらって。最後に笑っているイメージの義経で、これ以上ない幕の引き方だったと思います」と満足している。

 自分の意図を超えた登場人物として、梶原善の“殺し屋”善児と、宮沢エマが演じる北条政子の妹・実衣を挙げた。「善児はどんな幕引き、退場の仕方がみなさんを満足できるかを考えて書きました」と期待を持たせるラストシーンを用意。実衣についても「これからが本番。権力欲に取り憑かれる姿は、書き始めた時は思わなかった」と明かした。

 今後の注目は、山本耕史演じる三浦義村。「僕のアイデアでは最後の最後に大ばくちを打とうと考える。一番、最後にラスボスの感があるのは三浦義村です」と妙案を考えている。気になるラストについては、「大河を3本書いて、自分の中で決めているのは、主人公の人生が終わる時が最終回。理想は息を引き取る瞬間」と構想を明かし、「たどり着くか分かりませんが、今言えることはそこまで」と話すにとどめた。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

芸能最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(芸能)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス