自民党の岸田文雄総裁（６４）は３０日、政権運営の要となる幹事長に甘利明税制調査会長（７２）、官房長官に松野博一元文部科学相（５９）を起用する方針を決めた。また、麻生太郎副総理兼財務相（８１）を副総裁に起用する意向を固めた。

　総裁選で争った高市早苗前総務相（６０）は政調会長、河野太郎行政改革担当相（５８）は広報本部長に登用。選対委員長に遠藤利明元五輪相（７１）を充て、総務会長に衆院当選３回の福田達夫氏（５４）を抜てきする。

　国対委員長に高木毅衆院議院運営委員長（６５）、組織運動本部長に小渕優子元経済産業相（４７）、幹事長代行に梶山弘志経産相（６５）を起用。安倍晋三前首相（６７）が総裁選で支援した高市氏に加え、出身の最大派閥の細田派（９６人）から松野、福田、高木３氏が政権幹部入りする。第２派閥の麻生派（５３人）からも甘利、河野両氏を起用。安倍、麻生両氏に配慮した人事が鮮明となった。安倍氏側近の萩生田光一文科相（５８）も重要ポストで処遇する方向だ。

　強調していた「老壮青のバランス」も重視したとみられる。旧竹下派（５１人）からは小渕氏、谷垣グループからは遠藤氏、無派閥からは高市、梶山両氏を用いることとなった。