俳優の柳楽優弥（３１）が２６日、都内で行われた映画「ＨＯＫＵＳＡＩ」（２８日公開）のヒット祈願報告会に２人１役でダブル主演した舞踊家の田中泯（７６）らと登壇した。

　江戸後期の浮世絵師・葛飾北斎の生涯を描いた作品で、会見前には北斎とゆかりの深い墨田区の牛嶋神社でご祈祷を受けた。北斎は生涯の大半を同神社の近くで過ごし、大絵馬「須佐之男命厄神退治之図（すさのおのみこと　やくじんたいじのず）」を奉納。関東大震災で焼失してしまったが、原寸大の白黒写真が掲げられている。

　北斎が最晩年を過ごした長野県小布施町を訪れ、天井画「八方睨（はっぽうにら）み鳳凰（ほうおう）図」も見たという柳楽は「本当に北斎の画には、悪いものをはじき返して、断ち切るようなパワーがある気がする。（コロナ禍の）この状況ですが、はじき返していきたいと思いますね。時代を超えて、刺激を与えてくれる」とうなずいた。

　本来なら１年前に公開されていたはずが、延期を余儀なくされた。映画の可能性について聞かれると「芸術は、トンネルにライトをつけて誘導する力があるのかなと思っています。１日でも早く、みなさんに笑顔が戻る日が来るといいですし、映画の力を信じてます」と、緊急事態宣言で都市部の劇場が休業している中で封切りされる意義を強調した。