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痛ましい子供への虐待…あなたの“勇気”が命を救うことも

 最悪のケースを防ぐため“勇気”を持ってほしいと訴える谷光医師
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 「町医者の独り言・第27回」

 子供は親を選べない。しかし、こういった話があります。

 「翔子はお母様が好きだからお母様のところに生まれてきたの」。ダウン症で生まれて“奇跡の書家”となった金澤翔子さんの御尊母が、よく翔子さんから言われる言葉です。そうです、子供は親を選んで生まれてくるということもあるというのです。

 子供の生前にこれから生まれるであろう家族を、よく見ながら選ぶのだという話です。実際、幼児が、お母さんに子供が知るはずのない生前の話を時々することもあるそうです。親の愛よりも子供の愛の方が深いのかもしれません。

 白血病などで死期を悟った4歳の子供さんが、つらい治療の合間に悲しむ親を慰めて天国にいった話も聞いたことがあります。我々、親が思っている以上に我々は子供たちから深い愛情を受けていることを忘れてはいけません。

 しかし、子育ては大変です。仕事が忙しく、子供が幼少期に自宅にほとんどいなかった私にはわかりませんが、聞いた話からは私にはできないだろうなと思うくらい大変です。泣き続ける子供を夜通し抱っこしたり、高熱でうなされている子供を寝ずに看病したり、言葉が通じない赤ちゃんの思いを汲み取ったりなど、本当に大変です。そういった大変な思いをしながら、未熟であった親が、自分の子供に成長させてもらっているだとも思います。

 最近、親が子供を虐待するニュースを頻繁に見たり、聞いたりします。本当につらくて、悲しくなります。虐待と言っても様々な種類があります。肉体的なものばかりではなく、精神的、社会的なものあるのです。虐待されている子供が他人に訴えるケースはほとんどありません。最悪の場合、虐待されている子供の死をもって初めて発覚するケースもあります。

 また最悪に至らずに、無事成人したとしても身体、精神に落とし込まれた記憶は簡単に消えることがないのは必至です。そういった虐待を受けた人の多くが、何らかの精神疾患を抱えておられるケースが多いということを精神科の先生から伺ったことがあります。

 本当に愛してやまない親からの虐待は、想像を絶する苦しみ、悲しみを子供に負わせるのです。刑事罰では疑わしきは罰せずが原則ですが、そうしていては最悪の事態を招きかねないのではないでしょうか。そこは考え方を変えて頂き、親を罰するだけではなく、子供たちを救うことを最優先に変えて頂きたいのです。

 子供の虐待が疑われた場合は、まず児童相談所や福祉事務所に連絡を入れて頂きたい。あなたの“勇気”が、幼い命を救うこともあるのです。

 ◆筆者プロフィール 谷光利昭(たにみつ・としあき)たにみつ内科院長。93年大阪医科大卒、外科医として三井記念病院、栃木県立がんセンターなどで勤務。06年に兵庫県伊丹市で「たにみつ内科」を開院。地域のホームドクターとして奮闘中。

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